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運行管理者について詳しく解説します①(役割について)令和6年1月加筆版

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一般貸切旅客

運行管理者は社長の代理?

事業用自動車の運行を営む事業者は、安全で、なおかつ確実な自動車輸送を実現する必要があります。
この責務は本来事業者が負うべきものです。

運行管理者は社長の代理としての心意気で
本来は、会社のことは全部、社長がしっかり管理しろ、ということです。
 
しかし、社長には安定した経営を実現し、業績を向上させるという大仕事があり、そうそう運行の安全にばかり目を向けていることはできません。
※もちろん、運行の安全を軽んじるという意味ではありません。
 
運行管理者とは、そんな忙しい社長や営業部長の代わりに、運行管理を行う専門職のことを言います。

運行管理者の仕事は?

運行管理者には、事業用自動車の安全運行を守るために、多くの職務が課されています。

運行管理者は経営者に助言ができる

運行管理者は、日常の運行についてその安全を守る職務につきますが、実は、彼らの仕事、それだけではありません。

経営陣への助言も大切な仕事
運行管理者には、社長を含む経営陣に対して、事業用自動車の運行の安全確保に関して、必要な助言を行うように定められています。
 
旅客自動車運送事業者
道路運送法 第23条の5 3項
貨物自動車運送事業者
貨物自動車運送事業法 第22条 3項

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助言するにはPDCAが必要

運行管理者が経営者に対して、『運行の安全を確保するための助言をする』、ということは、運行管理者に運行の安全を向上させる方法がある、ないしは運行の安全を脅かす危険を発見するなどの『気づき』が必要です。

PDCAを回していく意識が大切
上記のような『気づき』を得るためには、漫然と日常業務をこなすだけではなく、一定以上の問題意識を持ってその職務にあたることが大切です。
 
そして、運行の安全のための『気づき』を得るために有効な手段が、この後お話しするPDCAサイクルの活用です。

PDCAをまわす=運輸安全マネジメント

PDCAサイクルの活用のために有効な手段が、皆さんよくご存じの運輸安全マネジメントの利用です。

PDCAのトレーニングには安マネが最適
P(プラン)計画
運輸安全マネジメント(以下、安マネ)の安全目標や、安全のための具体的な施策のことです。
安全目標とは、人身事故ゼロ、物損事故ゼロ、荷崩れ事故ゼロ、などがその例です。
安全のための具体的施策とは、目標を達成するために、実際にやるべきことを意味します。
ドライブレコーダーを新しく導入する、最新安全装置の車両を購入する、外部のコンサルタントに講習会をお願いする、などがその例です。
 
実際に、運輸安全マネジメントの構築をお手伝いしていると、この『目標』と『施策』を混同してしまう人が多く見受けられます。
この二つの違いに迷ったら、次のように考えてください。
目標はタダで言えること。
施策はお金がかかること。

 
D(ドゥ)実行
実際にやってみることです。
1年のほとんどがこの期間にあたります。
 
C(チェック)監査
計画した具体的な施策や、目標が達成できたかどうかを客観的な視線でチェックします。
 
A(アジャスト)見直し
Aのことをアクションとかアクトと呼ぶ人が多いですが、私はアジャストがわかりやすいと思います。
Pで計画して、Dで実行し、Cで目標の達成度をチェックして、Aでアジャスト(調整・見直し)する。

運行管理者は、日ごろから運輸安全マネジメントのPDCAサイクルを意識しておくことで、経営者に対して必要かつ有益な助言ができるようになります。
 
勘違いをされている方が多いのですが、運行管理者の最大の仕事が『点呼』だと思ってはいけません。
点呼は補助者でもできますが、経営者への助言は運行管理者に許された最大級の職務です。
明日からいい助言ができるように、客観的かつ俯瞰的に社内を見渡せるようにしましょう。

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