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運行の途中で、ドライバーが休息に入ることがあります。
そのとき、車両がアイドリング状態であった場合は休息として認めないという話を耳にすることがあります。
本当でしょうか?
観光バスは客待ち待機が多い
観光バスの場合、お客様がディズニーランドなどの大型施設に入ると、待ち時間が6時間に及ぶこともざらです。
『一日お買い物ツアー』などと称して、大型のアウトレットモールに半日以上待機する場合もあります。
仮に朝6時に出庫した場合、帰庫が23時というような工程は十分に考えられます。
すると、交代運転手なしで法定された一日の拘束時間16時間をオーバーしてしまいますので、どうしても待機時間を4時間以上確保して分割休息の特例を活用する必要が出てきます。
ロケバスの待機は撮影待ち
ロケバスの場合は、観光バスと少し事情が違います。
観光バスの場合、乗客がディズニーランドなどの施設に入場しているときは、基本的にバスに戻ってくることがありません。
つまり、必要があれば別の場所での待機も可能だと言えます。
つまり、バスそのものが1センチも動かなくても、様々な用途に利用できる箱としての利用価値があるわけです。
ロケバスは撮影地の控室
ロケバスはロケ地において、控室のような役割を果たします。
タレントさんの着替えに使用することもありますし、撮影スタッフの休憩場所としても利用されます。
このような使い方をされるということは、空調が整っている必要があるということです。
しかし、多くのロケバスにはそのような装備はなく、空調を使おうと考えれば、エンジンの動力に頼る他ありません。
エンジンがかかっていると休息にならない?
巡回指導において、『バスのエンジンがかかっている状態ではドライバーの休息期間としては認められない』という発言があったようです。
理由はいくつか存在します。
②タコグラフがアイドリングを記録している時間を休息期間だと言われても証拠がない。
車両の管理と休息は別問題
いずれも、関東運輸局の担当官の方に詳しく説明していただきました。
まず①についてです。
車両の管理については、ドライバーが車両のそばにいるか、いないかで管理体制そのものに変化が出るわけではありません。
もっと言えば、車両の管理体制の不備?と、ドライバーの休息期間に何の因果関係があるのか?というところです。
では、2番についてはどうでしょう?
現在、多くの貸切バスは2カメラ体制になっているはずです。
一台のカメラは前方を記録し、もう一台は運転席の状態を記録しているはずです。
この映像で、ドライバーが運転席にいないことは明白になります。
『運転席にいなくても、旅客席にいたかもしれない』
こんな疑いもあるかもしれません。
でも、これを言い出したら、そもそもエンジンがかかっているかどうかは問題とはなりません。
休息期間の成立条件を理解しよう
ドライバーが改善基準告示でいうところの休息期間に入ることと、バスのエンジンが停止しているかどうかに関連性はありません。
バスのエンジンが動いていようが止まっていようが、休息期間が休息期間として成立するかどうかは、まったく別の次元の話だとわかりました。
この点については、近々に詳しい記事をUPさせていただきます。