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貸切バスの初任運転者の教育について詳しく解説します(2019年1月最新版)

2019年2月3日06時20分

皆さまが勤務されている事業所は、運転手さん不足でお悩みではないですか?
日本全国で貨物や旅客の運転手さん、いわゆる職業運転手さんが不足しています。
 
しかし、いくら不足しているからと言って、正しい教育を受けていない運転手さんを事業用自動車に乗務させるわけにはいきません。
今回は、新しく雇い入れた運転手さんに対する教育について詳しく解説します。
 

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最初は適性診断(初任診断とは限らない)

通常の手順では、最初に適正診断を受けることになります。
しかし、実際の手続きではその前にある作業が必要になります。

新人の運転手さんが受ける診断は初任診断とは限りません。
もしも新しく雇い入れた方が事故惹起者であった場合には、特定診断ⅠないしはⅡを受ける必要が出てきます。
 
新人さんの履歴書を疑うわけではありませんが、もしも新人さんが事故の経歴を隠していたらどうしましょう?
そんな心配をしないためにも、まず最初に運転記録証明書の取得が必要です。
 
【関連資料】
貸切バス 乗務員の選任手順

 

実施機関の行う適正診断には以下のものがあります。

【一般診断】
普通の貸切バス運転手さんが受ける診断です。
初任診断】
新たに事業用自動車の運転手になる方が受ける診断です。
【特定Ⅰ】
以下の貸切バス運転手が対象です。
①死亡又は重傷事故を起こしているが、この事故前の1年間に事故を起こしたことがない者
②軽傷事故を起こしている上に、この事故前の3年間に事故を起こした事がある者
【特定Ⅱ】
死亡又は重傷事故を起こした者が、その事故前の1年間に事故を起こしている場合
【適齢診断】
高齢(65歳以上)の貸切バス運転手が受けます。

 

新しく雇われた貸切バスの運転手さんは、初めて事業用自動車で実車(お客様を乗せて走ること)する前に、初任診断を受信しなければなりません。
多少の例外がありますので、以下に記載します。
 

①新たに雇い入れた貸切バス運転手が『事故を起こした者』である場合は、特定Ⅰないしは特定Ⅱの受診をすれば初任診断を受けたことになります。
※事故を起こした者:過去に死亡事故や重傷事故を起こしたことのある人のことです。
②新たに雇い入れた運転手が『高齢者』である場合は、適齢診断をうけたことで初任診断を受けたことになります。

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雇い入れ前に初任診断を受けている場合、何ヶ月前までなら有効?

例1:半年前に別の会社で初任診断を受けたけど、すぐ退職して当社に就職した。
例2:3ヶ月前に当社で初任診断を受けたが、まだ内定中だった上、本人の家庭事情で本採用が今になってしまった。

1番は初任診断を受信したことになりません。
残念ですが改めて初任診断を受ける必要があります。
2番は有効です。
内定の状態であっても受診した初任診断は有効です。

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座学は10時間以上

貸切バスの初任運転者に対する教育は、座って行う座学と、実際に事業用自動車を運転して行う実技訓練があります。
座学のメニューは以下の①~⑥のとおりです。

①事業用自動車の安全な運転に関する基本的事項
交通ルールや心構えを勉強します。特に運行指示書の指示遵守を徹底します。

②事業用自動車の構造上の特性と日常点検の方法
貸切バスなどの運転は一般的な乗用車の運転とは大きく異なる部分があります。
実技と連動して、新人運転手がこれから乗務する車両と同じタイプの車両をモデルに勉強します。
異常を素早く発見できる日常点検のテクニックも学ぶ必要があります。

③運行の安全及び旅客の安全を確保するために留意すべき事項
お客様の乗降時の注意点や、シートベルト着用の呼びかけなど、運行の安全や旅客の安全を確保するための方法について学びます。

④危険の予測及び回避
予測運転の理論や方法を勉強します。
また、制動装置の操作方法について理解します。
大切なことは、これから乗務するのと同じタイプの車両で制動距離や制動状態での姿勢制御を勉強することです。

⑤安全性の向上を図るための装置を備える貸切バスの適切な運転方法
雇い入れた運転手さんが、衝突回避装置や被害軽減ブレーキなどが装備された車両に乗務することが決まっているであれば、その操作方法などを学習しておく必要があります。

⑥ドライブレコーダーの記録を利用した運転特性の把握と是正
この学習は実技訓練の途中、ないしは後で行われます。
実技訓練中のドラレコ映像を利用して、初任運転者のクセや行動特性をつかみ、直すべきところは直していきます。

⑥のドライブレコーダーを利用した教育について、『何分くらいの映像を見せればいいの?』という質問をよく受けます。
運輸規則の解釈を読んでみると、『適切な運行経路及び時間帯の6分程度のドライブレコーダーの記録を確認するものとする。』と書かれています。


 

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実技訓練は20時間以上

貸切バスでは20時間以上の実技訓練が求められています。
実技訓練には、以下のルールがあります。

①運転するのは初任運転者
実技訓練ですから、運転するのはもちろん初任運転者です。
指導する教官は、助手席ないしは客席で道路や運転方法、走行上の注意点などを教えます。
教官を務めるのは選任されているドライバー、ないしは事業者が指名したドライバーです。
※新規許可の場合は選任ドライバーそのものが不在です。その場合は事業者が外部から教官を連れてくるしかありません。

②教習プロセスはドラレコ映像と音声で記録する必要があります。
教習の様子はドラレコで記録する必要があります。
音声も記録できるはずですので、それも同時に記録します。

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貸切バスのドライブレコーダー義務化を詳しく解説します。

 

これらのデータも3年間保存しなければなりません。
20時間の教習で20時間、20時間以上教習した場合でも20時間の保存で問題ありません。
※ドラレコは挿入されている記録メディアによって記録時間が大きく違います。
PCなどへの保存を忘れて、上書きしないように注意が必要です。

③タコグラフでの記録も必要
アナタコ、デジタコどちらでも結構ですので、記録をしておきます。
この記録についても3年間保存します。

↓初任運転者教育の記録簿がダウンロードについてはこちらから
『初任乗務員教育記録簿がダウンロードできます』

 

④ベテランでも初任は初任
教育の対象になるのは、あくまでも初任運転者です。
初心運転者ではありませんから、どんなにベテランなドライバーでも例外はありません。
 

最後に

運輸支局の保安担当の方も苦笑交じりでおっしゃっていましたが、貸切の教育はかなり厳しくなっています。
転職してきたベテランドライバーには多少苦痛でしょうが、自分の運転を見直す意味でもしっかりと受けてもらいたいと思います。

巡回指導、監査でもこの項目は重視されますので、記録類の保存は入念に行ってください。
また、新規に貸切バス事業の許可を受けた会社さんは1年以内に一般監査が入る可能性が高く、その際重点的にみられるのが乗務員の選任プロセスです。
指摘を受けないように注意しましょう。
 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】
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