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お客様のシートベルトはお客様の安全のためだけにあるのではない

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一般貸切旅客

今日は九州と北海道から、続けて事故の連絡がありました。

どちらにも共通しているのは、シートベルトでした。

北海道の事例

北海道の事例は、こちらが有責100パーセントの追突事故です。

後方からの追突事故
✅高速道路で追突事故

千歳空港から札幌市内に向かうマイクロバスが、前方を走る乗用車に追突しました。
渋滞気味の状態で、前を走る乗用車が、その前方の車両のブレーキに過敏に反応して、急に停車してしまったことが原因です。

高速道路上で停止しなければならないほどの状況には思えませんが、いずれにせよ、後方からぶつかった方が100パーセント有責となります。

事故後にドライブレコーダーの映像を確認した運行管理者は、緊急的急ブレーキを掛ければ、追突せずに止まれる車間距離だったと感じました。
ドライブレコーダーから見える映像では、ドライバーのかけたブレーキは少し遠慮気味に感じるような強さだったそうです。

その後、ドライバーの話の聞き取りから、強いブレーキをかけられなかった事情がわかりました。

しっかりブレーキを踏めなかった・・・
✅最前列の乗客の体調が悪かった

ドライバーの話では、最前列の乗客の体調が悪く、『3点式シートベルトで胸を圧迫されるのが辛い』との申し出があり、シートベルトの未着用を認めた、とのことです。

乗客は終始辛そうに前かがみになっていたらしく、それが頭にあったので、緊急的急ブレーキをかけることができなかったのでした。

九州の事例

九州の事例は、小学校の遠足に出かけたバスが、後方からトラックに追突された事故です。

ドライブレコーダーを見せて欲しい保護者
バスには何の落ち度もありませんが、保護者の一部から、『子供たちがどの程度の衝撃を受けたか、それを知りたいので、ドライブレコーダー映像を見せて欲しい』、と頼まれたそうです。

運行管理者が当該事故車両のドライブレコーダーをチェックしたところ、生徒の一人が、遠足用のリュックサックを背負ったまま、シートベルトをしている事実を見つけました。

事故そのものは、バス会社に何らの責任もありませんが、高速道路を利用する行程での不適切なシートベルト使用は、父兄との話し合いで問題になる可能性があります。

バスにドライブレコーダーがついていることはみんな知っている

北海道のケースでは、警察が車内のドライブレコーダー映像の提出を求めてきました。
九州のケースでは、父兄が映像の公開を求めてきました。

今や、バスの運行にドライブレコーダーが必須となっていることは、誰でも知っていると考えてください。

最前列のお客様のシートベルトをしていたら
北海道の事故は起こらなかったでしょう。

ドライバーは、何も気にせず緊急的な急ブレーキをかけることができたはずだからです。
では、最前列のお客様がシートベルトをしていない状態で、緊急的ブレーキをかけたら?

追突事故は防止できたかもしれませんが、車内で重大な事故が発生した可能性があります。

シートベルトはお客様の安全のためだけではない

ドライバーさんたちに、再度、『シートベルト着用徹底の重要性』を説くようにして下さい。

シートベルトが乗客を守るための道具であることに間違いはありませんが、同時に、周囲の交通の安全を守るための道具でもあることを理解させてください。

ドライバーさんたちは、いざというときに、思い切ったブレーキ操作ができるよう、(例外を認めず)必ず乗客にはシートベルトを着用させるように徹底してください。