知っているようで、知らないのが労働法です。
まあ、経営者にとって、あまり面白い法律ではない(そもそも法律はだいたい面白くないが)ので、労働法というだけでなんとなく敬遠してしまうのでしょうね。
労働時間というのは、イコール賃金が発生する、ということです。
すでに楽しくない話になってきましたね。
ここで、一応、労働時間の定義なんてヤツを理解しておきましょう。
- 労働時間の定義
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✅従業者が労務を提供していること
✅従業者が、会社の指揮・命令を受ける状態になること
まあ、なんのこっちゃい、って感じです。
もう一度言うと、労働時間に当たる=給料発生!ということです。
で、ここからは、少しわかりやすい、トラックドライバーを例にとって説明しましょう。
- 適性診断や健康診断は?
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◆適性検査の受診
適性検査を自分の楽しみで受けるドライバーは稀です。
初任診断にしても、適齢診断にしても、会社の指示で受診することになりますから、これは労働時間に入ります。
◆健康診断
これはちょっと勘違いしやすいですよ。
結論から先に申し上げますと、労働時間には含めなくて結構です。
健康診断には、一般健康診断と特殊健康診断があります。
特殊というくらいですから、危険な化学物質を扱ったりするような職場が対象です。
特殊健康診断の場合は、(危険な仕事をする)会社の業務遂行にあたって、従業者の健康を守る必要性があるため受診するので、会社からの指示的要素が強くなります。
つまり、特殊健康診断の場合は、労働時間に含むのが一般的です。
トラックやバスの運転手の場合は、一般健康診断のみ、労働者の健康を守るという目的で行われるので、労働時間にはあたりません。
午後10時から早朝5時の間に働くドライバーさんたちは、年に2回の健康診断が義務づけられていますが、こちらも同様に労働時間にはあたりません。
- 点呼後の洗車や自分都合の早出は?
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◆点呼を受けた後の洗車
『洗車は点呼が終わってからやること』
なんて、貼り紙を、トラック会社の休憩室で見たことがあります。
これは、やばいですね。労基がすっ飛んできますよ。
普通に労働時間です。
◆運転手が勝手に2時間早く出庫して、現場で寝てます・・・
よくある光景ですね。
こちらは微妙です。
運転手が朝3時に出庫したとします。会社の指示は5時です。
荷物の積み込みは8時からです。
倉庫周辺の道路は、朝5時くらいから混雑が始まります。
①会社が指示した5時で、無理な運転をしなくても8時の積み込みに間に合うかどうか。
②もしも積み込み順を早くするために、早くから現着しているのであれば、5時の出庫から荷物待ちをして、仕事が予定の時間に終わるかどうか。
こういう検討をして、運転手の自主的な早出が会社側にメリットのないものであったなら、労働時間とはなりません。
まあ、実際には、かなり微妙な案件になる(運転手がむくれる)ので、よく話しあうことが大切でしょう。
トラックやバスの運行では、上記のような微妙案件が多くあります。
従業員の労働問題でお困りなら、労働問題に強い中小企業診断士にご相談ください。
【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】