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貸切バス 運転手が複数の会社で選任されても大丈夫?

2020年1月23日07時18分

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

運行管理者や整備管理者、乗務員など、事業用自動車の運行に関わる人員が業務に携わるには、選任という手順が必要です。

運行管理者は専属が基本

運行管理者は全国の運輸局のデータベースで管理されており、他社での兼任が許されないしくみになっています。
運行管理と言う仕事は、運行の要と言えるもので、複数の会社で掛け持ちができるような種類のものではないからです。

運行管理者を選任するときに必要な書類は、以下のとおりです。
☑各運輸局指定の選任届
☑運行管理者資格証
 
選任届の提出を受けた運輸支局は、提出物のデータを照会して、重複がないことを確認してから選任を認めます。

 

専属であることが基本の運行管理者ですが、以下のような場合は兼任することも許されています。

同一事業者の同一営業所で複数の種類の事業の事業用自動車の運行を管理する場合には、旅客自動車運送事業運行管理者資格者証を有する運行管理者又はそれぞれの事業の種類に応じた種類の資格者証を併せて有する運行管理者に限り、当該複数の種類の事業の運行管理者又は補助者を兼務することができる。
※出典 旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について

 

乗務員の兼任は基本的にOK

事業用自動車の運転手のことを乗務員と言いますが、乗務員が複数の会社で選任されることはできるのでしょうか?
それとも、運行管理者と同じく、データベースのようなもので管理されているのでしょうか?

結論から言いますと、基本的には、複数の会社で選任されることに問題はありません。
Aバス社で乗務員として働いているタナカさんは、同時にBバス社で選任されることも可能ということです。

 

憲法による保護は合理的な理由があれば制限される

一人の運転手が、複数の会社で乗務員として選任されることに問題はありません。
その根拠がどこにあるかというと、それは憲法です。
憲法で保障された職業選択の自由がそれを可能にしているのです。

『じゃあなんで、運行管理者は複数の会社で選任されることができないの?』
 
こんな声が聞こえてきそうです。
実は、憲法で保障された職業選択の自由は、いろいろなところで制限を受けています。
この話題に身近な内容で言うと、運転手は運転免許を持っていなければならないことも、正確には職業選択の自由を妨げています。
 
職業選択の自由を含む憲法による国民の権利保護は、『公共の福祉に照らして適切な範囲の制限』を受けるものです。
職業選択の自由は守られなければならないけれども、自動車の運転を一度もやったことがない人を運転手という仕事につかせてしまうと、その他大勢の人々に迷惑がかかる可能性があるので、適切な範囲でその権利に制限をかける、ということです。

 

就労規則で副業を全面禁止?

憲法で職業選択の自由が保障されており、さらに法律などによって規制もされていないので、乗務員の他社での選任は許されると判断できます。
しかし、実際には他にも問題があります。
それは、就労規則です。

多くの会社では、就労規則によって従業員の副業に制限を設けています。
ご自身の会社の就労規則を確認してみて下さい。
以下のような文章を見つけることができるかもしれません。
 
労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は前項の業務に従事するにあたっては、事前に会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務が次の各号のいずれかに該当する場合には、会社はこれを禁止又は制限することができる。
(以下、略)※出典 厚生労働省モデル就労規則

 
実は、副業を全面的に禁止することは、職業選択の自由を侵害することになるので憲法違反の判断(違憲判断)が出ています。
しかし、その内容に合理的な理由があれば、副業に一定の制限をかけることは憲法に反しない(合憲判断)とされているのです。

 

就労規則を読んでみること

副業の全面禁止は違憲であるけれども、合理的な理由があるのであれば合憲だと書きました。
では、違憲を合憲に変えるような合理的な理由とはなんでしょうか?

合理的と判断される理由の一般的要素は、副業が本業に悪影響を与える場合だと考えられます。
 
☑労務提供上の支障を生じる場合
タナカさんがAバス会社で勤務を終了したあと、Bバス会社で勤務して、結果として4時間しか睡眠がとれなかったとしたらどうでしょう?
このような事態を防ぐために、Aバス会社がBバス会社での副業を禁じるのは、きわめて合理的な制限だと判断できます。

 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】

 

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