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貸切バス 年間契約を詳しく解説します。(加筆修正版)

2019年1月5日05時00分


貸切バスには年間契約という料金制度があります。
年間を通して需要のある仕事(企業送迎など)で特別な契約を結び、クライアント側にメリットのある料金を実現しようとする制度です。
しかし、この制度は少しわかりずらい部分があり、今一歩理解が進んでいない状況です。

年間契約の意味するところ

貸切バスの年間契約を企業送迎に利用する場合を考えます。
年間契約は業務を年間契約とするのではなく、車両を年間で貸し切る(借り切る)契約と考えます。
大型でも、小型でもなんでもいいのですが、1台の車両を決められた日数、同じような条件で使用する場合を想定した仕組みです。

年間契約金額の計算

年間契約の計算式は、以下のようになっています。

1日の運賃×365日×実働率=年間契約運賃

 
では、上記の式の意味について詳しく考えていきましょう。

1日の運賃

1日の運賃は、通常の貸切バス運賃の計算をします。
時間制運賃には、前後の点検時間も含めなければなりません。
距離制運賃も加算します。

企業送迎の仕事で以下のような場合を考えます。
(月)~(水)運転時間4時間・距離50㎞
(木)~(金)運転時間5時間・距離60㎞
(土)運転時間2時間・距離30㎞

 
このような場合の1日の運賃の計算は、木曜日と金曜日の運賃を基本とします。
要するに、一番高い日の運賃を適用するということです。

実働率を出す

実働率というのは、1年間実際に動いた車両数(延実働車両数)を1年間の平均保有車両数に365をかけた数値(延実在車両数)で割った数値です。

年間契約の実働率は『国土交通省が決めた運賃ブロックの各実働率』と『貸切バス事業者の実際の実働率』との間の数値にするように定められています。
関東ブロックのある貸切バス事業者の実働率が42.65%だったとしたら、年間契約の式に使用する実働率は
42.65%から67.58%までの間
にする必要があります。

 
自分の会社の実働率を調べるにはどうすればいいのでしょうか?
簡単です。
直近年度の輸送実績報告書に記載されているはずです。

【関連記事】
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365日動かしてもいい?

たとえ年間契約を結んだとしても、車両を365日動かしていいわけではありません。
年間契約運賃で動かしていい日数には制限があります。

車両を動かしていい日数についても、前述の実働率が関係してきます。
運行可能日数=365日×実働率×1.4倍

 
運行していい日数が【365日×実働率】では何の意味もありません。
たとえば、実働率60%の事業者なら、通常の運賃で219日運行するだけです。
これでは、せっかく年間契約をしても、お客様側に何のメリットもありません。

そこで出てくる数字が1.4です。
上の例で言うと・・・
年間217日分の運賃で、217日×1.4倍≒303日までなら運行していいですよ
というのが、この1.4という数字の意味です。

 
なるほど・・・これならお客様側のメリットも明快ですね。

※注意
関東ブロックの標準実働率は67.58%です。
すると運行可能日数は・・・
365日×0.6758×1.4倍≒345日
 
となりますが、実は『年間契約書に記載できる運行日数』は最大でも338日まで、と決められていますから注意してください。
なぜ365日動かせないかというと、365日-338日の残り27日は整備点検や車検などの保守に充てることを想定しているわけです。

具体例で計算してみましょう

実際の例で計算してみましょう。

★関東のA観光バスがB食品の企業送迎を行う場合
①1日の運賃
(月)~(火)50,000円
(水)~(金)30,000円(土日は運行休止)
 
②A観光の実働率
42.65%(昨年の輸送実績)

 
☑まず、1日の運賃は50,000円になります。
☑実働率は42.65%から67.58%の間で考えます。
 
ここで注意が必要なのは、実働率の設定です。
この企業送迎では、月曜日から金曜日までの運行(土日は運行休止)ですから、年間260日の運行になります。
 
年間契約で運行していい日数は、
365日×実働率×1.4
でしたから、この日数を260日にするためには
実働率を50.88%で設定する必要があります。
(260日稼働するために必要な実働率=260日÷1.4÷365日=0.5088)

年間運賃を下げるために、実働率をぎりぎりの42.65%で設定することもできます。
しかし、その場合は運行可能日数が217日となって、不足する43日分は通常の貸切運行となってしまいます。
※どの実働率がお得かをお客様と一緒に考える必要があります。

 
実働率を50.88%で設定した場合の運賃を計算します。
A観光とB食品の年間契約運賃
50,000円×365日×50.88%=9,285,600円
 
年間可能運行日数は260日ですから、1日あたりの運賃は
35,718円
になります。
うまく設定すれば、約3割くらいお得になります。
 

バス会社、お客様、それぞれにメリットがある

上の例で、A観光は185日分の運賃で260日の運行を約束させられるわけですが、営業コストや受注リスクの低減を視野に入れるとかなり手堅い契約になります。
発注側は年間契約のリスクを負いますが、1年間の運賃が約3割減(注1)になることを考えるとやはり魅力的な契約になります。
注1 1÷1.4=0.714
 
年間を通じて1台の車両を利用する。
距離も時間もおおむね一定である。
こんな場合は年間契約にメリットがあります。

こんなめんどくさい制度を使うくらいなら特定の方がいいのでは?
そう考える事業者さんも多いかと思います。
 
しかし上の例で考えると、年間260日をこの企業さんの送迎に使用しても、残りの100日余りは貸切バスとして別の仕事で使えます。
別の仕事には一切流用できない特定との大きな違いはここです。

 
お客様に説明するのが少し面倒ですし、理解してもらうにも時間がかかるかもしれませんが、一定のメリットのある内容です。
積極的な利用をお考えになってはいかがでしょうか。

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】

 

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