行政処分は怖い
旅客自動車を運行している会社の経営者であれば、行政処分の怖さはよくご存じだと思います。
文書での警告で済む場合もありますが、一定期間車両の運行を禁じられたりする場合もあります。
行政処分で輸送施設の使用停止を命じられると、一定期間車両の使用が禁じられるので、仕事そのものができなくなってしまいます。
例えば、車両5台の営業所が100日車の処分を受けたとします。
その場合、車両5台の8割にあたる4台の使用が25日間禁止されることになります。
例えば、車両5台の営業所が100日車の処分を受けたとします。
その場合、車両5台の8割にあたる4台の使用が25日間禁止されることになります。
処分を受けた後にも影響がある
行政処分は処分を受けた後にも影響が残ります。
それが、ネガティブ情報の公表義務です。
利用者にとって『安全な輸送事業者を選択するための手段』として、輸送事業者にとって不利益となる情報の公表を義務付けているのです。
程度の差はありますが、行政処分を受けるということは輸送の安全確保に関する管理体制に問題がある事業者だと判断されたということです。
たくさんあるバス会社の中からどの会社を選ぶかについての情報には、値段やバスの種類だけでなくこのようなネガティブ情報も含まれます。
値段は安いけど、本当にこのバス会社は安全なのだろうか?
このような利用者の『?』に応えるためにネガティブ情報の公表が義務付けられているのです。
たくさんあるバス会社の中からどの会社を選ぶかについての情報には、値段やバスの種類だけでなくこのようなネガティブ情報も含まれます。
値段は安いけど、本当にこのバス会社は安全なのだろうか?
このような利用者の『?』に応えるためにネガティブ情報の公表が義務付けられているのです。
国土交通省のネガティブ情報公開サイト
バス会社やトラック会社が行政処分を受けた場合、自動的に以下のサイトに公表されます。
貸切バス以外の事業者については3年間、貸切バス事業者については最長5年間公表されます。
どこまで利用者に周知されているかどうか不明ですが、このサイトで一定期間ネガティブ情報が公表されることは事実です。
自社でも公表する義務がある
行政処分を受けた事業者は、上記サイトでの公表以外に自社の負担でネガティブ情報の公表をしなければなりません。
公表期間は、処分を受けた日から3年間です。
このルールはあまり浸透していないように思えますが、一部の事業者はきちんとルール通りに公表しているようです。
▪公表すべき処分内容
①輸送の安全確保命令、事業改善命令、自動車その他の輸送施設の使用停止処分、事業停止処分
②当該処分に基づき講じた措置及び講じようとする措置の内容(改善報告書等)
公表の場所
本社及び当該行政処分を受けた営業所
公表の手段
以下の手段の中から適切なものを選択
①自社ホームページへの掲載
②報道機関へのプレス発表
③自社広報誌等への掲載
④営業所等利用者が出入りする自社施設における掲示
③旅客自動車運送事業者の場合は、事業用車両内における掲示等
①輸送の安全確保命令、事業改善命令、自動車その他の輸送施設の使用停止処分、事業停止処分
②当該処分に基づき講じた措置及び講じようとする措置の内容(改善報告書等)
公表の場所
本社及び当該行政処分を受けた営業所
公表の手段
以下の手段の中から適切なものを選択
①自社ホームページへの掲載
②報道機関へのプレス発表
③自社広報誌等への掲載
④営業所等利用者が出入りする自社施設における掲示
③旅客自動車運送事業者の場合は、事業用車両内における掲示等
正直な会社を評価しよう
自社のウェブサイトを持っている事業者は、そこで公表するのが一般的だと思われます。
しかし、いろいろ調べてみると、自社のウェブサイトを利用している事業者はあまり多くないようです。
中には監査で指摘を受けた際の書面をそのまま公表している事業者もありますが、多くはこの義務を積極的に履行していないと思われます。
私はバス利用者のひとりとして、この制度を逆に利用しています。
逆というのは、ネガティブ情報をしっかりと公表しているバス会社を積極的に利用するという意味です。
ネガティブ情報をルールどおりに公表しているということは、指摘された問題点は改善されて自社の安全品質に自信を持っていると捉えられるからです。
逆というのは、ネガティブ情報をしっかりと公表しているバス会社を積極的に利用するという意味です。
ネガティブ情報をルールどおりに公表しているということは、指摘された問題点は改善されて自社の安全品質に自信を持っていると捉えられるからです。
今回の記事の内容は以下の通達に詳しく書かれています。
【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】