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バス・トラック・タクシー会社の事業承継とは

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一般貸切旅客

事業承継というのは、簡単に言うと、会社の経営権を移転させることです。

子供が社長である親の後を継ぐのがその典型例ですが、最近よく耳にするM&Aも事業承継の手段の一つです。

経営は引き継いでいくもの

人間には寿命はありますが、会社(法人)には(生物ではないので)回避不可能な寿命というものはありません。

ですから、バス会社にせよ、トラック会社にせよ、会社が健康(経営が健全)なのであれば、存在を継続していくためには、寿命のある経営者を入れ替えて、つまり、経営権を移転し続ける必要があります。

事業承継のパターンは大きく3種類

経営者の経営権をバトンのようにつないでいくパターンとしては、大きく3つあります。

このパターンの違いというのは、単純にバトンを渡す相手の違いだと考えればいいでしょう。

バトンを渡す相手はこの中から
✅経営者の親族

一番わかりやすい例です。
社長の息子さんや娘さんが、『会社を継ぐ』というやつです。
息子さんの場合も、娘さんの場合も、その配偶者が後継者になるパターンもあります。

✅経営者の右腕

こちらは、最近増えてきたパターンです。
運送会社の営業所でトップを任されていたような人物が、経営権を譲られるような形です。
同族会社でも、比較的大規模の会社に多い印象です。

✅M&A

親族や、従業員の中から選ぶのではなく、社外の第三者の個人や法人に事業を引き継がせるパターンです。
やる気がいまいちだったり、能力に疑問符が付くような後継者で悩んでいる場合は、このような選択肢もあります。

それぞれの方法にメリット・デメリットがある

事業承継のそれぞれの方法に関するメリット・デメリットについては、税理士さんなどの士業としての専門家から、M&A専門の仲介会社まで、いろいろとところがウェブサイトなどで詳細に説明していますから、その点については省略します。

私は、バスやトラック、タクシーなど、事業用自動車の経営サポートの専門家ですから、そこに特化した説明をしていきましょう。

事業承継には難所がある

事業承継には、3つの種類があることを説明しましたが、この3つの方法には、それぞれ大きな難所があります。

それぞれの方法の難所
✅親族内承継

社長さんがまだ元気なうちに引退、株式の移転までを行う場合、株価の算定が大きな難所となります。
社長が持っている株式というのは、大事な財産ですから、生前なら贈与税、お亡くなりになっての株式移転の場合は相続税の対象となります。
これらの税金の計算の基準となるのが、株式の評価額となりますので、この計算はとても大切です。

✅親族外(社内)承継
こちらも親族内承継と同様に、株価の算定が最大の難所です。
給料取りであった古参の番頭さんが、株式の売買に必要な大金を用意できる可能性は少ないので、いろいろな工夫が必要です。

私が経験した事例では、『経営と所有の切り離し』の考え方のもとで、株式は社長のお嬢さんが保有し、経営を元従業員に委任(つまり社長をやってもらう)するという形にした事業承継もあります。

✅M&A
当社でも、毎年数件お手伝いすることがあるのですが、M&Aには様々な難所が控えています。
ただ、当事者同士だけで話を進めていくことはなく、多くの専門家が必要な場面場面で登場してきますので、その点では、先が見通しやすく、安心感もある程度高い方法と言えます。

小さい会社のM&Aは小さく進めましょう

令和6年5月の段階で、上場しているバス関連会社は31社です。
つまり、日本に4,000社弱と言われるバス会社の99パーセントは株式非公開会社です。

M&A専門会社の良し悪し
M&Aは、第三者に会社を売却する手段です。
『最終的には、お金がすべて』ですので、合理的に問題を解決できる側面もあります。
しかし、以下のような問題点もありますので、注意が必要です。

✅専門家が増えるほど金がかかる
M&Aの一連の手続きの中でも、最も重要で負荷の高いのが、デューデリジェンス(DD)と呼ばれる行程です。
会社を売買するということは、会社を商品として扱うことですから、その値段を決める作業がとても重要です。

DDには、いくつかの区分がありますが、それぞれに弁護士、税理士、公認会計士、社会保険労務士、行政書士などの専門家のアドバイスが必要になります。
関わる専門家の数が増えるほど、どんどん経費がカサマシされることを覚えていてください。

✅M&A専門会社(仲介)にご注意
M&A専門の会社というのは、わかりやすく例えると、不動産屋さんと同じです。
買って欲しい人と、買いたい人をマッチングさせる仲介業者です。

よくM&A専門業者の謳い文句として、『着手金無料、月額報酬無料、完全成立報酬制』などと書かれたウェブサイトがありますが、こいつが曲者です。
M&Aは、マッチングの初期段階からクロージングまでを考えると、数か月~年単位の長い時間がかかる作業です。
この間、まったく費用をかけずにサポートを行って、M&A専門業者はビジネスとして成立するのでしょうか?
そんなわけないですね。

結果として、買い手・売り手のどちらかに悪い条件であったとしても、とにかく成立ありきの圧力をかけてくるM&A専門会社もあるので、注意が必要です。
※実際には、FA(フィナンシャル・アドバイザー)などを自社で押し付けてくるので、完全成立報酬制はありません。

バス・トラック会社の事業承継はまず業務の専門家に相談を

バス会社やトラック会社で事業承継をお考えであれば、まず当社のようなバス事業・トラック事業のサポートを専門にやっているアドバイザーとのミーティングをお試しになったらどうでしょう。

特に、会社の売却をお考えの場合は、買い手側の専門家に足元をすくわれない(評価を下げられない)ようなDD対策が大切です。

当社に相談するメリット
✅業務DDはもちろん、法務・財務のDDの対策もお任せ

運送事業の実務に関する専門家である上、行政書士、中小企業診断士も在籍しておりますので、業務DDはもちろんのこと、法務DD、財務DDに対応するためのサポートも可能です。

✅報酬は完全タイムチャージ制です

当社の事業承継サポートは、完全タイムチャージ制です。
オンラインやメールでのご質問やアドバイス、訪問してのDDサポートなども、すべてタイムチャージ制で対応しますので安心です。

✅バス会社・トラック会社の事業承継に関する情報が集まる

年間サポート先が200社弱ありますので、事業承継に関する情報も多数寄せられます。

事業承継で困ったら、ぜひ、行政書士法人ココカラザウルスまでご相談ください。