サポート先で書類のチェックをしていますと、なぜか『勘違いが多い』書類というのが出てきます。
その一つが運送引受書です。
運送引受書は契約書
運送引受書は、個々の運行の契約状況を示すものです。
運送引受書の多くは、『運送の申込書』と『運送の引受書』、『乗車券』がセットになっています。
旅客運送の契約は、『運送約款+運送引受書』によって構成されています。
つまり運送引受書は個別の契約書の一部にあたりますので、必ず相手に交付しなければなりません。
※運送約款は営業所などに公示されているので、交付の必要がありません。
①人の保全
乗務員の状態を適切に保つことです。
点呼・健康診断・適性診断・乗務員教育などがこれにあたります。
②機材の保全
日常点検・3ヶ月点検・車検・(機材の)更新などです。
③適切な契約の保全
運送約款の公示・適正な運賃料金収受・運送引受書の交付などです。
これら3つの保全に関する義務を怠ると、行政処分が『警告』などで済まなくなり、とても重くなります。
つまり、それだけ大事な責務であるということです。
申込者と契約責任者
運送引受書の左上に、『申込者』と『契約責任者』を記入する欄があります。
冒頭でお話しした『勘違い』は、この部分で多く発生しています。
文字通り、バス会社に『マイクロバスを1台お願いします』と申し込みしてきた人(団体)のことです。
▶契約責任者
この運送について契約を結ぶ人(団体)のことです。
ケース① 旅客が自分で申し込む場合
具体的な例で考えましょう。
まず一番簡単な、同窓会旅行でバスが申し込まれる場合です。
いいものですね。
この団体をA中学35期同窓会としましょう。
幹事の方が、自分が現役時代にお世話になったバス会社に直接バス運行を依頼してくると考えてください。
この場合は、
申込者=契約責任者=A中学35期同窓会となります。
ケース② 募集型ツアーの場合
上の例では、バスに乗車するお客様が直接バス会社に運行を依頼しました。
しかしこのような例はレアケースで、実際は旅行会社にツアーの企画を申し込んで、同時にバスも手配してもらうのが一般的でしょう。
このような申し込みを受けたA旅行会社は、温泉やその他のオプションを企画、移動のためのバスを手配します。
この場合は、
申込者=契約責任者=A旅行会社となります。
■ 旅行を企画したのはA旅行会社
■ A旅行会社は、B旅行会社にバス運行の手配を依頼
■ B旅行会社はCバス会社に運行を依頼
B旅行会社がCバス会社と年間運行契約を結んでいるような場合です。
※B会社は年間を通じてCバス会社のバスをチャーターしていますので、少し安く運行できます。
この場合は、
申込者=契約責任者=B旅行会社となります。
A旅行会社の名前はどこにも出てきませんが、問題ありません。
バス会社から見たときに、見えてくるのはB旅行会社で、運行の責任を持つのもB旅行会社だからです。
ケース③ 募集型ツアーの場合
次に、旅行会社が募集したツアーで運送を申し込まれる場合です。
こんなツアーを旅行会社が企画して、参加者を募集します。
よく新聞のチラシなどで見かけますね。
このような形式を募集型企画旅行と呼びます。
参加者はそのほとんどが数名の仲間同士(あるいは単独)で申し込み、旅行会社が集めた1個の団体としてバスに乗り込みます。
この場合も、
申込者=契約責任者=旅行会社となります。
ケース④ 手配旅行の場合
次は、手配旅行を考えてみます。
ある町内会でいちご狩りに行くことになりました。
いちご狩りをする場所は、町内会の知り合いの農園ですし、お昼ごはんもその農園でジンギスカンをいただくことになっています。
そんなわけで、この団体は貸切バスの手配だけを旅行会社にお願いしました。
このような手配業務の場合、手配を行った旅行会社はバス会社を適切に手配すればその仕事は完結するので、基本的にはその後の旅行に関する責任を負いません。
つまり、バス会社との契約は町内会御一行様が行うことになります。
この場合は、
申込者=旅行会社
契約責任者=町内会となります。
旅行会社のツアーには募集型と受注型があります。
募集型は旅客がバラバラにあつまってきますのである意味でわかりやすいですが、受注型は上記の手配旅行と間違えやすいので注意が必要です。
ケース⑤ 発注元はバス会社??
旅行会社Aの企画したバス旅行の運行を、バス会社Cが受注しました。
しかし、大きなツアーになるので、バス会社Cは仲間のバス会社Dにも手伝ってくれるように依頼しました。
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