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貸切バス 運送引受書の『契約責任者欄』に注意

2019年12月18日07時43分

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

サポート先で書類のチェックをしていますと、なぜか『勘違いが多い』書類というのが出てきます。
その一つが運送引受書です。

運送引受書は契約書

運送引受書は、個々の運行の契約状況を示すものです。
運送引受書の多くは、『運送の申込書』と『運送の引受書』、『乗車券』がセットになっています。
 
旅客運送の契約は、『運送約款+運送引受書』によって構成されています。
つまり運送引受書は個別の契約書の一部にあたりますので、必ず相手に交付しなければなりません。
※運送約款は営業所などに公示されているので、交付の必要がありません。

安全な運行を確保するには、3つの保全に注意する必要があります。
 
①人の保全
乗務員の状態を適切に保つことです。
点呼・健康診断・適性診断・乗務員教育などがこれにあたります。
 
②機材の保全
日常点検・3ヶ月点検・車検・(機材の)更新などです。
 
③適切な契約の保全
運送約款の公示・適正な運賃料金収受・運送引受書の交付などです。
 
これら3つの保全に関する義務を怠ると、行政処分が『警告』などで済まなくなり、とても重くなります。
つまり、それだけ大事な責務であるということです。

申込者と契約責任者

運送引受書の左上に、『申込者』『契約責任者』を記入する欄があります。
冒頭でお話しした『勘違い』は、この部分で多く発生しています。

▶申込者
文字通り、バス会社に『マイクロバスを1台お願いします』と申し込みしてきた人(団体)のことです。
 
▶契約責任者
この運送について契約を結ぶ人(団体)のことです。

募集型ツアーの場合

具体的な例で考えましょう。
まず一番簡単な、旅行会社が募集したツアーで運送を申し込まれる場合です。

『有名な●●神社で初詣をした後、料亭▲▼でおせち料理を食べましょう』
こんなツアーを旅行会社が企画して、参加者を募集します。
よく新聞のチラシなどで見かけますね。
このような形式を募集型企画旅行と呼びます。
 
参加者はそのほとんどが数名の仲間同士(あるいは単独)で申し込み、旅行会社が集めた1個の団体としてバスに乗り込みます。
 
この場合は、
申込者=契約責任者=旅行会社となります。

手配旅行の場合

次は、手配旅行を考えてみます。
 
ある町内会でいちご狩りに行くことになりました。
いちご狩りをする場所は、町内会の知り合いの農園ですし、お昼ごはんもその農園でジンギスカンをいただくことになっています。
そんなわけで、この団体は貸切バスの手配だけを旅行会社にお願いしました。

今回の旅行会社は、先ほどの例とは違い、旅行の企画はせずに、貸切バスを手配するだけです。
このような手配業務の場合、手配を行った旅行会社はバス会社を適切に手配すればその仕事は完結するので、基本的にはその後の旅行に関する責任を負いません。
つまり、バス会社との契約は町内会御一行様が行うことになります。
 
この場合は、
申込者=旅行会社
契約責任者=町内会
となります。

 
旅行会社のツアーには募集型と受注型があります。
募集型は旅客がバラバラにあつまってきますのである意味でわかりやすいですが、受注型は上記の手配旅行と間違えやすいので注意が必要です。

発注元はバス会社??

旅行会社Aの企画したバス旅行の運行を、バス会社Bが受注しました。
しかし、大きなツアーになるので、バス会社Bは仲間のバス会社Cにも手伝ってくれるように依頼しました。

一番間違いが多いケースです。
申込者=契約責任者=バス会社B と書かれたケースが少なくありません。
依頼してきたのが、バス会社Bの社長なので、感覚的にはそうなるのは理解できます。
 
しかし、この場合は、
申込者=契約責任者=旅行会社Aとなります。
 
なぜなら、万が一の事態が発生した場合に、バス会社Cが責任を負うべき相手は旅行会社Aだからです。
バス会社Bは自分だけでは仕事がこなしきれないので、旅行会社Aにバス会社Cをご紹介しただけです。

 
契約責任者で迷ったら、『事故があった場合に私は誰に責任を負えばいいのだろう?』と考えるようにすればわかりやすいのではないかと思います。
 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】

 

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