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貨物・旅客運送営業許可の譲渡譲受と(全部)M&Aの違いについて

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一般貸切旅客

運送事業廃業の話が増えてきている

当社は全国に200社を超えるバス会社・トラック会社・タクシー会社の顧問先があります。
新規でお付き合いが始まる場合がある反面、当然のことながら、廃業しようと考える会社さんもあります。

最近、事業をやめてしまおうという会社さんが少し増えてきたように思います。
理由はいくつかありますが、代表的なのが人材不足によるもの。
要するに、仕事と車はあるけど、人(ドライバー)がいないからやめちまおうということです。

なんとももったいない話ですが、逆に言うと会社自体は健全なのですから、求人する力のある会社や、人的資産に恵まれた会社がその後を継げば、比較的少ない投資と労力で事業規模を拡大することのできるチャンスとも言えます。

会社を全部引き受けるか、一部を引き受けるか

会社を別の会社や経営者が引き継ぐ場合、その全部を引き受けるか、一部のみを引き受けるかで、その方法や難易度が大きく変わってきます。
簡単なのは、全部を引き受ける方法、むずかしいのは一部を分割して引き受ける方法です。

当社の関わった会社の売買でも実際にあった事例です。

その会社さん(A社)は、一般貸切の許可と貨物の許可のほかに、認定整備工場を持っていました。
A社の社長さんは、『運送業はやめてしまいたいけど、整備の事業は続けたい』という希望をお持ちでした。

一方、この会社に興味を持ったB社の社長さんは、会社を丸ごと譲り受けることを望んでいました。
しかし、A社の社長さんが整備工場を手放す気がないことを理解したB社の社長さんは、最終的にはA社から整備工場を分割することにはしぶしぶ賛同しました。
ただし、許可の譲渡譲受の手続きはやりたくないB社の社長さんは、貸切と貨物の許可はA社に残したまま、整備工場部分を別会社に移して欲しいと希望しました。

しかし、A社の社長さんは、その申し出を拒否します。
なぜなら、整備工場の許可を新会社に移動するのが、ことのほか大変だったからです。

かなり長い交渉期間があったのですが、結局会社分割から許可の譲渡譲受までの労力に否定的なB社の社長さんは、新会社を設立して、自分で土地と建物を探して、貸切と貨物の新規申請を行いました。
A社は、残念ながら許可をそのまま廃止にし、整備工場だけを残して営業を続けています。

一部譲渡の場合は許可の譲渡譲受が必要

事業を一部譲渡する場合には、許可を新しい会社に譲渡する場合のほかに、会社を分割する、会社が合併される、などのケースが考えられます。
いずれの場合も、許可を新しい入れ物(会社)に移動させるための認可申請が必要になります。

貸切バスやトラックの場合、許可の譲渡譲受のメリットはさほど大きくありません。
許可の年数が長ければ、すぐに貸切バス安全性評価認定やGマークの申請ができるくらいでしょうか?

許可の譲渡譲受の場合、新規で申請するのと同等程度か、それ以上の手続きが必要で、あまりお勧めする理由が見当たりません。

一方で、一般乗用の場合は、新規の許可申請に制限がかかっている地域が多いので、こちらは他社から許可を譲り受けるメリットは大きいと考えられます。

手っ取り早くやるなら(全部)M&Aがおすすめ

一方で、会社全体を丸ごと手に入れる方法のことを、全部譲渡とか全部M&Aなどと呼びます。
こちらの方法は、会社をまるまる手に入れるわけですから、許可などもそのまま、(運輸局の)手続きもとても少なくて済みます。

全部譲渡の方法はとても簡単です。
有限会社や株式会社では、株を購入して代金を支払うだけです。

全部譲渡は簡単な分、とても危険なところもあります。
その代表例が、隠れた負債の存在でしょう。

税理士も知らないようなところで、前社長が会社名義で多額の借金をしていた。
こんなドラマのようなことが実際に起きることもあります。

私が関与したケースで割と多いのは、従業員への残業代の未払いや、補助金の不正受給などが売買後に発覚するもの。
しっかりとデューデリジェンスをやったつもりでも、いろいろと出てくるものです。

結論

許可の譲渡譲受と全部M&Aは、似ているようで全く違うものです。
車をそのまま譲り受けるのか、それともエンジンだけを譲り受けるのか・・・

エンジンだけを譲り受けることもできるでしょうが、そのエンジンを入れるシャーシを用意しなければなりませんし、配線やパイプ類の取り回しも必要になります。
圧倒的に、車を丸ごと買う方が楽なことがわかるでしょう。

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