産業廃棄物収集運搬業の矛盾
産業廃棄物の収集運搬業というのは、とても不思議ちゃんな業態です。
荷物(ゴミ)を運んで、運賃をいただいているにもかかわらず、なぜか白ナンバーでOK。
同じように荷物を運んでいても、ゴミ以外のものであれば、もれなく緑ナンバーが必要です。
- 二つの許可のすき間で・・・
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ゴミを集めて運ぶには、産業廃棄物の収集運搬業の許可が必要になります。
この許可の面白いところは、運送によってお金をいただいているにもかかわらず白ナンバーでも許可が下りるところ。一方、他人の所有物を運んでお金をいただくのであれば、貨物自動車運送事業の許可が必要になります。
産廃の収集運搬業というのは、この二つの許可のすき間で、なんとな~く許されてきた業態だったのです。この件について、埼玉県の産業廃棄物指導課にお尋ねしたところ、おおむね以下のような回答でした。産廃の収集運搬の許可というのは、環境関連法の要求に基づいて与えているもので、その中に営業ナンバーについては触れられておらず、よくわからない。
白トラ問題ではっきりさせなきゃいけなくなった
令和8年4月1日~からの改正法で、白トラ利用の罰則が強化されるようになりました。
一方で、ゴミを運ぶ産業廃棄物収集運搬事業者は、産廃系の許可を持って仕事をしています。
その上、貨物運送事業の許可まで求められたのでは、(二重の)大きな負担になります。
うちのゴミを運んでくれているダンプのお兄さん。
とってもいい人だけど、白ナンバーなんですよね・・・
専務、大丈夫ですか?
ああ、そうだっけ?
ゴミを運ぶダンプも白ナンバーじゃだめなの?
な~んか、白いナンバーのトラックに荷物の運送をお願いしたら、荷主に100万円の罰金が・・・
へ?
そうなの?
事務連絡が出た
この問題を解決すべく、先ごろ国交省と環境省から廃棄物の処理と貨物自動車運送事業に係る許可等の関係についてという事務連絡がでました。
結論から申し上げますと、廃棄物の運搬業務に関しては、営業ナンバーの許可を必要としないという方向性が明確に示された形です。
- 理由にはかなりのこじつけ感が漂う・・・
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なんだかすごくもっともらしい文面になっていますが、中身はかなり怪しいこじつけ感が漂っています。
理由をわかりやすく箇条書きにしてみました。1.廃棄物処理業者は、ゴミの処理に関して排出事業者と包括的な契約をしている。2.廃棄物の処理(収集や処分)のためには運搬が切り離せない。
逆に収集や処分を伴わない運搬には、運送業の許可が必要。3.運搬が廃棄物処理業務と密接に結びついており、切り離せないのであれば運送の許可は不要。
見事なまでのこじつけ感です。
だいたい収集を伴わない運搬ってなんじゃい。
荷主さんたちの狼狽がお役所を動かした
令和8年4月1日~の改正法施行で、白トラ利用の荷主へ罰金等のペナルティが課せられることになります。
運輸局にもかなりの数の問い合わせがあったようで、荷主の皆さんがお役所を動かした形になったようです。
この問題を放置しておいて、廃棄物処理業者からの貨物新規申請ラッシュになっても困る、という事情もあるのでしょう。
とにかく、グレーで長年放置された問題がはっきりしました。
それはそれでよかったのではないでしょうか。


