貸切更新の2回目がやってきます
一般貸切の許可が更新制になったのが、平成29年(2016年)4月からです。
初回の更新に対応した事業者さんは、本当に大変だったと思います。
加えて、この役員は誰でも良いわけではなく、代表取締役に限るとされています。
運送事業を始めるときにも法令試験があります
一般貸切のように、更新制度がとられていない一般貨物、一般乗用、一般乗合なども、新規許可申請時や、譲渡譲受などの場合に法令試験の受験義務が課されます。
つまり、事業用自動車を使った事業を始める場合には、必ず法令試験の関門を通過する必要があるわけです。
法令試験の勉強のしかた
さて、ここからが今回の本題です。
株式会社付加価値ファクトリーでは、一般貸切の法令試験に対応した参考書を作成、販売しているのですが、これが毎月一定量売れています。
先日、テキストをご購入いただいた事業者様から、以下のようなご質問を受けました。
『このテキストで勉強したら、本当に10日で合格できるようになりますか?』
10日で合格できるようになるかどうかはご本人次第・・・
運送業の経験が全くない方でも、1日3時間から4時間の時間を集中してもらえれば、一応10日間で合格レベルまではいけるように工夫しました。
しかし、試験に合格できるかどうかは、ご本人の能力と努力という、他人には計り知れない要素が90%ですから・・・
そこで、テキストの作者として今回は、(法令)試験に合格するための、コツのようなものを少しお教えしたい、と思います。
1.基本は過去問にあります
試験にチャレンジするなら、まずその試験の過去問題を用意しましょう。
私は頭脳労働に関して非常に不器用ですので、逆に間違いのない成功法を身につけています。
逆に、どんなに勉強をしても、過去問への荷重が低ければ、合格はおぼつきません。
なぜか・・・
私が今年受験した数学検定2級を例にとってみましょう
数検2級は、高校2年生までの数学が試験範囲です。
特に数学ⅡBが大切になりますが、ここには、
①方程式と不等式
②図形と方程式
③ベクトル
④数列
⑤三角関数
⑥指数関数と対数関数
⑦微分積分
と多くの課題があります。
大学受験という意味で考えると、微分と積分が特に大切で、実際参考書などでも多くのページが割かれているのですが、実は数検の2級ではあまり重要ではありません。
毎回登場はします。
しかし、パターンが明確に決まっていて、ほとんど勉強する必要がないくらいです。
逆に、数列については、なんだか毎回いろいろ不要な工夫をした問題が出題されて、なかなか厳しい内容になっています。
つまり数学検定における出題傾向は、大学受験におけるそれとは、少し違うものなのです。
数検2級に合格するために、数学ⅡBの参考書の1ページから勉強を始めると、(2級に合格するために限れば)もの凄くムダな勉強をすることになります。
ちんぷんかんぷんでもいいから、過去問を10回分くらいやっておけば、どこに力を注げばいいか、それがよくわかるはずです。
2.過去問を最低5回分やったら、参考書を読む
過去問を5回分くらいこなすと、なんとなくですが出題の傾向(雰囲気)のようなものが実感できるようになります。
そうしたら、最初にトライした過去問の1問目から、参考書でその分野が説明してある部分を読んでみます。
ここで、『なるほど』と思えれば、まず40問のうち1問はクリアできたことになります。
過去問は10回くらいやって、全部100点が取れるまで参考書は読みません。
人にはそれぞれ、いろいろな特徴があって、私は脳の構造があまり器用にはできていないので、このような場合10回くらいやらないと脳内で論理がつながりません。
逆に、参考書を読まなくても、脳内で論理がつながれば、そこからは人よりも理解が早くなります。
このあたりは個人差のあることなので、一般的には、過去問を5回分やったら参考書を確認でいいと思います。
3.過去問1回分が終わったら満点が2回取れるまでやめない
参考書を利用して、過去問1回分の勉強が終わったら、すぐに今勉強したばかりの過去問にチャレンジします。
たぶん、満点を取れると思いますが、1回満点が取れて安心してはいけません。
なぜなら、〇×の場合はまぐれ当たりの可能性があるからです。
できれば3回、最低でも2回連続して満点が取れるまで頑張りましょう。
この作業によって、短期記憶として刻まれた知識が、長期記憶に置き換わっていきます。
この作業をしっかりやっておくと、しばらく忘れてしまう心配がいりません。
4.同じことを10回分やる
上記の1~3の流れを繰り返して、過去問10回分を頭に刻み込みます。
これだけやっておけば、ほぼ合格は間違いありません。
というのも、時折出題傾向の変わる月があるからです。
しかし、毛色の違う問題が出ても、せいぜい1問ないしは2問ですので、あまり怖れることはありません。
なるべく多くの過去問に触れておくことで、この問題も解決できます。
直前一週間が大切
どんな試験でも、受験までの一週間が最も大切です。
ここに来るまでに、10回分の過去問を勉強してきた方なら、5分で終わるはずです。
残り一週間、なにもしなかった人との違いは歴然となりますから、最後まで気を抜かないようにしましょう。
私は、中小企業診断士試験のとき、一次試験本番一ヶ月前の模擬試験で合格ラインに大きく届かず、残り一ヶ月毎日7科目全部の過去問をぐるぐるひたすら回して合格しました。
行政書士のときも、残り一ヶ月で全分野を毎日回した記憶があります。
当社のテキストを利用するなら、この方法もあります
当社のテキストは、法令を出題傾向別に並べてまとめてあります。
このテキストを利用して勉強されるのであれば、別の方法もあります。
この方法は、まったく運送業の経験がない、ずぶの素人が10日間で合格レベルに達する方法です。
すべて印刷して年度ごとにファイルにまとめます。
Step2 テキストの最初の条文を読みます
Step3 読んだ条文が出ている過去問をさがします。
※テキストの最後のページに出題された年度の表があります。
Step4 先ほどダウンロードした過去問を確認して、その法令の出題傾向を頭に入れます。
これを繰り返します。
関東運輸局の問題はとてもよくできているので、別の地方運輸局の受験生にとっても参考になるはずです。
資料持ち込み可能だが、持ち込む人はまず合格しない
たとえば、道路交通法や運輸規則を持ち込んでも、内容が理解できていなければ意味がありません。
逆に、理解できている人なら、資料を持ち込む必要もないはずです。
堂々と手ぶらで受験して、サクッと合格してください。
受験勉強に王道はありませんが、平坦な道や舗装された道を選ぶことはできます。
参考書の1ページ目から勉強を始めたりするのは、好んでガケを登ったり、川を渡るようなものです。
できるだけムダなことはせず、楽な道を歩いて合格してください。