事業者間遠隔点呼とは?
トラックやバス、タクシーの事業者が、まったく(資本などの)関係のない会社と契約を結んで、点呼業務を委託する制度です。
遠隔点呼のシステムを利用して、別の会社にいる運行管理者が対面と同等の効果のある点呼を行います。
事業者間遠隔点呼の条件とは?(1)
事業者間遠隔点呼の条件を見ていきましょう。
1.受託する側(点呼する方)と、委託する側(点呼される方)の許可(契約)は営業所単位で行う。
2.受託する側の事業者と、委託する側の事業者は、同一の事業及び種別でなくてはいけない。
あくまでも営業所単位で許可され、貨物事業者は貨物事業者、乗合事業者は乗合事業者と契約する必要がある、ということです。
事業者間遠隔点呼の条件とは?(2)
事業者間遠隔点呼には、遵守事項というものもあります。
1.個人情報の取り扱いについて、取り決めを交わすこと
2.個人情報の漏洩に注意すること
3.遠隔点呼を実施する運行管理者と、受ける運転者などが勤務する営業所において、常時連絡できる体制を整えること
始業前自動点呼より有効
事業者間を含む遠隔点呼は、かなり対面点呼に近い形で点呼をすることができます。
その意味で、普及することが望ましいと考えています。
何社かの始業前自動点呼を見学させてもらいましたが、これは電話点呼に劣後する点呼方法だと思います。
なぜ、トラックやバスの事故が増えている今ここで、このような意味のない点呼を認めるのか、まったく理解できません。
国土交通省は、本気で事故を減らそうと思っているのでしょうか?
始業前の点呼というのは、その後、たった一人で数十トンの鉄の塊を公道上100キロで走らせる運転士の状態を知ることのできる最後のチャンスです。
それを、あんなインチキな点呼システムに任せてよいわけがない。
めちゃくちゃに体調の悪い運転士でも、あの点呼システムでは「いってらっしゃ~い」って、手を振りますよ。
もしも死亡事故が発生したら、会社はどうなりますか?
よく考えてください。
もしも、自社の人員で点呼をルール通りに実施できないのなら、せめて賢い経営者の皆さんは、(事業者間)遠隔点呼を選ぶようにしてください。