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【旅客】【貨物】法定点検と車検の関係

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実務全般について

車両を管理されている方や、整備担当の方には常識の話かもしれませんが、事業用自動車の法定点検と車検の関係性についてまとめておきます。
これから先のお話は、すべて事業用自動車を想定して書いておりますので、その点ご注意ください。

法定点検は3ヵ月と12ヵ月

事業用自動車では、3ヵ月に一度の点検が義務付けられています。
つまり1年に4回の受診義務があるということです。
更に、そのうちの1回は検査項目も内容も厳しい点検を含まなければいけません。

3ヵ月に1回の点検のことは、文字通り3ヵ月点検、内容の厳しい検査は1年に1回なので、12ヵ月点検と呼ばれています。
 
3ヶ月点検には、おおむね50個くらいの検査項目があります。
12ヵ月点検は、1年に1度の厳しいものなので、検査項目もグッと増えて約100個弱です。

車検と点検は関係なし?

12ヵ月点検を受けていないと車検は受けられない。
12ヶ月点検は車検を受けるための前置き的な検査である。

こんな誤解をされている関係者の方をよく見かけます。
 
実は、私もその一人でした。
お客様から質問を受け、勉強し直したら、実は12ヵ月点検は(車検を受ける前提としては)マストではない、とわかったわけです。

 

車検は甘い?

車検は道路を走れるかどうかのテストです。
実は、検査範囲は点検よりも狭く、将来的な故障の可能性(予兆性と言います)の診断もされません。

若いころお金がなくて(今だってないが)、自家用車(2サイクルジムニー)をユーザー車検に出したことがありますが、それはそれはびっくりするぐらいに簡単だった覚えがあります。
光軸のテストだけ事前に有料でやっておけば、あとは何も問題なく通過できました。
 
つまり、車検は道路を『とりあえず問題なく走行できるかどうか』だけのテストであって、健康診断に例えると問診に相当します。
『特に悪いところはありませんね。』
『最近、気になる部分はないですね。じゃあ横になってください。』
『ハイ大丈夫ですね。』的な感じです。

 

点検は将来の故障を予見・予防するためのもの

一方で、点検は現在の状態もさることながら、将来に発生する故障・トラブルの予見・予防をするためのものです。

事業用自動車は、大量の荷物や人命を運びます。
車体も大きく、関わる人やモノも多数に及びますから、一度トラブルが発生すると社会的な影響も甚大です。
 
そのような理由があるので、事業用自動車については、1年に4回の厳しい点検が義務付けられているわけです。
実際、この点検システムがしっかり機能していないと、高速道路の路肩は故障した大型トラックだらけになるかも?しれません。

 

結論

車検と点検には、あまり強い関係性はありませんでした。
3ヵ月点検を受けていなくても、車検を受けることができます。

一般的な話で言うと、車検のラインを通す前に12ヵ月点検をするはずです。
でも、それはマストではないということがわかりました。

 
詳しい方にはつまらないお話だったと思いますが、私も含めて意外に知らない人も少なくなかったのではないでしょうか。
 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】