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トラックやバスの3ヶ月点検は自社でやれますか?

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

法律や規則に関すること

この質問は、いろいろなところから定期的に寄せられる、まあ、質問ランキングとしては上位にあるものです。
 
ポイントは2つなので、電話でのご質問では簡単にお答えしますが、一度記事にもまとめておいた方がよい、と思いました。

整備管理者は整備する人ではない

『うちの整備管理者は、整備の資格持ってないから、3ヶ月点検できないよね』
 
この質問もすごく多く寄せられます。
答えは、整備管理者かどうか、整備資格者かどうかは関係ないです。

まず最初に、整備管理者の仕事をまとめておきましょう。

整備を管理する人だから・・・
★整備管理者の仕事
 
①日常点検の実施方法を定めること
②日常点検の結果に基づき、運行の可否を決定すること
定期点検を実施すること
④日常点検、定期点検など、適宜必要な点検をすること
⑤日常点検、定期点検によって必要な整備をすること
⑥点検整備の実施計画を定めること
⑦記録簿を管理すること
⑧車庫を管理すること
⑨職務遂行のために運転者、整備員その他の者を指導し、又は監督すること

③番がそれっぽい感じの表記ですが、何も自分でやる必要もありません。

結論(1)
✅3ヶ月点検は、整備管理者の仕事ではない。
 
✅3ヶ月点検は、整備の資格がなくてもできる。
※資格が必要なのは、整備を業としてやる場合です。

自分の会社でバスやトラックの3ヶ月点検できる?

こちらが本題です。
自分の会社で、3ヶ月点検ができるか?

結論としては、可能だけど条件があるです。

問題はドラムブレーキ
3ヶ月点検の項目は自分でお調べいただくとして、自社での3ヶ月点検の壁となるのが、ドラムブレーキです。
 
ドラムとライニングのすき間
3ヶ月点検の必須項目です。
自動調整式の場合は、ブレーキを踏んだ後にブレーキの引きずりがないかどうかを調べるだけですが、手動調整式の場合は分解整備が必要になることがあります。
 
ライニングの残量
ライニングの残量を分解しないで点検できる車種はいいのですが、それ以外の場合は分解整備が必要です。
 
※この点検項目は、距離基準がついています。
※前回の3ヶ月点検から2,000㎞以上走行していない場合は省略できますが、2回連続して省略することはできません。

ドラムブレーキのライニングの残量が大きなハードルになります。
ただ、3カ月点検の必須項目ではない(距離基準がある)ので、走行距離が基準以下なのであれば、年に3回ある3カ月点検の中で1回だけやれば済む可能性もあります。

事故が起きてからでは遅い

私個人の意見ですが、点検はプロにお願いするべきだと思っています。

結論(2)
貨物であっても旅客であっても、事業用自動車(営業ナンバー)は物流、人流を支える大切な仕事です。
大事な車両を長く使うためにも、整備はプロにお願いするようにしてください。
 
行政書士さんのホームページなどで、『3ヶ月点検をちゃんとやらないと行政処分が来ますよ』的なアドバイスが多くみられますが、そこじゃないでしょう。(笑)
 
車両の整備が甘くて事故がおきたら、3ヶ月点検の費用や行政処分の問題ではありません。
 
そこをケチらなくてはやっていけないのであれば、冷たい言い方ですが、そもそもの経営に問題があると考えなくてはいけません。

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