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運行管理高度化ワーキンググループ最新情報(令和7年6月)

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一般貸切旅客

国土交通省には、デジタル技術などを利用して、運行管理をより高度化しようというワーキンググループがあります。
令和2年度から、定期的に検討会が開催されています。

今回は、当該ワーキンググループの最新情報をお伝えします。

同一法人の他営業所の運行管理者による対面点呼について

点呼の基本は、営業所単位です。
自身が所属していない営業所の運行管理者の点呼を受けることができるのは、遠隔点呼の場合のみとなります。

✅具体的な事例

①東京と名古屋に営業所のあるバス会社
②東京が遠隔点呼の基地となって、全体の点呼を統括している。

このような場合に、東京から名古屋に運行してきたバスの運転士(東京営業所所属)は、名古屋の営業所で寝泊まりしたとしても、東京の営業所からの遠隔点呼を受けなければなりません。
本当は、名古屋営業所の運行管理者から対面点呼を受けた方が、より確実な点呼になるはずなのにです。

逆に、名古屋から東京に運行してきた名古屋営業所所属の運転士は、東京の営業所に寝泊まりしたとしても、東京の運行管理者の対面点呼は受けられません。
わざわざ目の前で遠隔点呼をする
ことになります。
なんだか、変ですね。

この問題を解決するために、現在検討会が開かれています。
具体的には、遠隔点呼を実施している営業所、事業所間で対面点呼が可能になるように制度化するということです。

✅今後の進め方はこのような形になるようです

①制度化に際しては貨物、旅客ともに実施可能とする。
②同一事業者内、事業者間ともに適用することとする。
③遠隔点呼機器の活用を前提とし、営業所の優良性を問わないものとする。
④運行の責任は運転者等が所属する営業所に帰属するため、遠隔点呼同様に、他営業所運行管理者等が対面により点呼を実施した場合にあっても、安全な運行をすることができないおそれがある場合には、運転者等の所属元営業所の運行管理者等に連絡し、代替の措置措置を講じすることができる体制を整えることを求めることとする。

運行管理業務の一元化による運行管理者数の問題について

届出を行うことによって、複数の営業所の運行管理業務を、一つの営業所に集約することができます。

例えば、乗合バス50台のX営業所と、同じく乗合50台のY営業所があったとします。
この場合、届出をすれば、Y営業所の運行管理業務を、すべてX営業所に集約することが可能です。

但し、現行の制度では、少し頭の痛い問題があります。
運行管理業務を集約されたX営業所は、乗合100台(実際には50台)の営業所とみなされるため、運行管理者を1名追加しなければならなくなるのです。

せっかく、運行管理業務の一元化によって、効率化を図るつもりが、運行管理者を1名増員しなければならないという、なんだか矛盾した話になるわけです。
こちらも、一元化によって負担が増えることのないよう、柔軟な制度改正が検討されています。


引用元
国土交通省 運行管理業務の一元化の運行管理者選任数に係る実証実験について(資料3)