選任された運行管理者の講習
会社で、初めて選任される運行管理者は、選任された年度内に、基礎講習か一般講習を受講しなければなりません。
新たに選任したというのは、その会社で初めて選任した人を指します。
同じ会社で、過去に選任されていた人を再任する場合は含みません。
※1 国土交通省告示第455号
基礎講習⇒試験合格⇒すぐ選任の場合は?
ここで問題になってくるのが、同じ年度内で基礎講習を受けて、運行管理者試験で合格、選任された人のパターンです。
たとえば、5月に基礎講習を受けて、同じ年度1回目の8月試験で合格し、12月に選任された場合、残された年度内(3ヶ月)の間で、また一般講習か基礎講習を受けなければならないのでしょうか?
それとも、5月に基礎講習を受けているのだから、年度内に受講したことになると考えて良いのでしょうか?
各運輸局の間でも解釈が割れているそうです
この件に限らず、法令の解釈というのは文言の受け取り方の問題なので、人によって意見が分かれることはよくあります。
運送事業者等は、新たに選任した運行管理者に、選任届出をした日の属する年度に、基礎講習又は一般講習を受講させなければならない。
赤の下線の引かれた部分が問題の原因です。
なぜなら、この告示に書かれている運送事業者とは、新たに運行管理者を選任した運送事業者を指すので、基礎講習を受けさせた事業者と、運行管理者に選任した事業者とが違う場合を考慮する必要があるからです。
1.基礎講習の受講から選任まで同じ会社内であった場合
この場合は、基礎講習を(運行管理者に選任した)会社が受けさせた形となりますので、全く問題がありません。
2.基礎講習は別の会社で受講して、その後転職してきた場合
このケースが問題です。
確かに、選任された年度内に基礎講習を受けていますが、選任した事業者が受けさせたわけではないので、この場合は、改めて年度内に講習を受けるべきではないか?と考えるわけです。
運行管理者が転職してきた場合
他社の運行管理者さんが、こちらに転職してきた場合で、その方が本年度内、転職前に一般講習を受けていた場合です。
転職先の会社で初めて選任される運行管理者ですから、年度内の講習受講義務があります。
少なくとも行政処分の対象にはならないのでは?
これは私見ですが、同じ内容の講習を1年に2回受ける必要はないのではないかと思います。
少なくとも、運輸局で意見が割れているような話ですから、行政処分の対処になることはないように思われます。
ただ・・・
貸切バス事業者安全性評価認定制度の審査員がどう考えるか・・・
こちらはわかりません。