本日のお話
今回お話しする送迎業務というのは、旅客の送迎を目的に行われるタイプの業務のことです。
時間制運賃はどう考える?(現場待機の場合)
滝先生、今日は運賃の計算方法で少しお聞きしたいのですが・・・
大山さん、こんにちは。
いいですよ。
どんなことですか?
マルテツ倉庫さんという会社あるんですが、その会社の近くの駅からマルテツ倉庫さんまで、従業員さんを送迎して欲しいというご依頼があって・・・
一度見積りを提出したんですけど、「これは高いですね。」って断られちゃったんです。
なるほど。
どんな見積りだったのですか?
朝の便が午前7時から9時までの2時間、夕方の便が午後5時から7時までの2時間なので、12時間+2時間の14時間で計算しました。
それは高くなるでしょうね。
朝の便と夕方の便の間は車庫に帰庫しないのですか?
そうなんです。
朝の便が終わったら、先方の倉庫で待機することになっていて・・・
—
今回のケースのように、バスと運転手さんが車庫に戻らずに現場で待機してしまうと、時間制運賃は思いのほか高くなってしまいます。
同じようなケースで、学校の部活動(対外試合)などがあります。
朝、生徒を試合会場まで連れて行って、そのまま待機しているパターンです。
貸切バスの時間制運賃というのは、運送事業のコストを確実に確保するために設定されるものですから、上記のような例では、そのコストのすべてを1つの団体(今回の場合はマルテツ倉庫さん)が負担することになるわけです。
『バスが待機しているだけなのだから、運賃なんか必要ないだろう。』
そんなお客様のクレームが聞こえてきそうですが、もしも待機中の運賃を請求しなかったら、
①待機中の乗務員さんの人件費
②待機中のバスの使用料金
はどなたが負担することになるのでしょうか?
時間制運賃はどう考える?(朝と晩の間は帰庫する場合)
午前の運行の後、夕方の運行までの間、先方さんの倉庫で待機するので運賃が高くなることを伝えました。
そうですか!
それで?
そうしたら、倉庫に待機せずに、車庫に戻ってもいいことになって。
その場合の計算方法なんですが・・・
午前は2時間しか運行しないし、午後も2時間しか運行しないから、それぞれ3時間ずつになって、点検点呼の2時間も加えると8時間になりますよね。
まあ、この間の見積もりよりは下がるのですが、これでいいのでしょうか?
うん、よく頑張って計算しましたね。
半分正解、半分不正解です。
—
朝の便が終わった後で、夕方の便が始まるまでの間、車庫に帰庫する場合は、朝便の走行時間(今回の場合は2時間)と午後便の走行時間(今回の場合は2時間)を合算した数値(今回の場合は4時間)が時間制運賃の基礎となります。
貸切バスの公示運賃ルールでは、『3時間未満の運行は3時間で計算する』ルールとなっていますから、今回のケースは4時間で確定できます。
この4時間に、始業前と終業後の点検点呼時間2時間を加えた6時間が時間制運賃ということになります。
距離制運賃はどう考える?
距離制運賃も同様の考え方で問題ありません。
例えば、午前中105㎞、午後126㎞なのであれば、合計231㎞となり、10キロ未満切り上げのルールの結果、請求は240㎞となります。
もともとはスクールバスの考え方
朝の運行と夕方の運行があり、その間に車庫に帰庫しているような運行の場合は、朝と夕方の運行時間、距離を合算して1日運賃としてよい、という考え方は、もともとスクールバスの運賃計算が元になっています。
いわば、スクールバスの特例のようなものなのですが、今回のケースは、その特例を企業送迎に応用したものと考えて結構です。
その根拠を以下に示します。
児童生徒等の登下校時に運送され、かつ、登下校時の間に帰庫するというスクールバスの運送形態と本質的に同様の形態であれば本回答で示す計算方法を適用することができる
⇒本回答で示す計算方法というのは、上でご説明した計算方法のことです。
朝と晩でドライバーが交代したときの点検点呼費用はどう考える?
では、ここで文章では出ていない運用面での問題を考えてみましょう。
時間制運賃のことはわかったんですけど・・・
ど・・・どうしたの?
実は、運行時間が朝7時から2時間と、夕方5時から2時間、そして、夜勤の人のために午後10時から2時間の3回に増えちゃったんです・・・
それは大変。
じゃあ、運転手さんは交代制になるね。
で・・・ですよね。
すると、それぞれの運転手さんの点呼をしなければならないので、点検点呼の加算料金はどうすればいいのでしょうか?
3人交代だったら、ぶっちゃけ6時間・・・・ですか?
い・・・いや、それは・・・
あれ?
どうなんだろ?
—
お読みになるには
ログインが必要です。
- 毎月最新の乗務員教育教材が届きます(Eラーニング対応)
- AIでは検索できない重要情報満載の記事が読み放題です
- 電話・メールで業務の相談し放題です
- その他、特典が満載です


