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【旅客】【貨物】重大事故を起こすとどうなるか考えておきましょう

2021年02月03日06時24分

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

事業用自動車事故調査委員会の調査報告書の公表

事業用の自動車が大きな事故を発生させた場合には、国土交通省の事業用自動車事故調査委員会による調査が行われます。

事業用自動車事故調査委員会が対象とするのは、以下の事故です。
 
1.特別重要調査
多数の死傷者が生じるなど特に社会的影響の大きい事故
 
②重要調査対象
社会的影響の大きい事故
 
Click!⇒事業用事故調査委員会とは

 

平成30年10月28日乗合バスの事故

今回公表されているのは、今から2年あまり前の、平成30年10月に発生した、『大型乗合バスの衝突事故』です。
この事故の主たる原因は、乗務員の意識喪失でした。
この事故で、お亡くなりになった方が1名、5名の方が怪我をされました。

この事故の原因については、以下のように報告されています。
Click!⇒事故の概要
 
【直接的な原因】
乗務員の神経調節性失神によりバスが制御不能に陥ったため
 
【主たる原因】
①乗務員は、意識を失う前に体調の変化を感じていたが、運行を中止しなかったこと。
②過去にも同様の症状を経験していたが、その事実を管理者に伝えていなかったこと。
③乗務員本人が、このような症状の重大性に気づいていなかったこと。
 
【関連のある原因】
①乗務員の勤務状態に改善基準告示違反にあたる勤務が散見されていること。

 

運行を中止することはできるのか

事故が起きた主たる原因として、『運行を中止しなかったこと』が挙げられています。
乗務員が自身の体調不良を感じたときに、安全を担保するために運行を中断しなければなりません。
しかし、実際問題として、運行の中止はすべての事業者で可能でしょうか?

今回、報告書の対象となった事故を起こしたのは、神奈川県の大型乗合バスです。
乗合バスの場合、その走行ルートは営業所や車庫を起点に、あまりそこから離れていないケースがほとんどです。
つまり、予備となる乗務員を複数名、営業所や車庫に配置しておけば、万が一乗務員の体調不良により運行が中断されても、すぐに復旧することが可能です。
 
しかし、これが『地域の乗合バス』ではなく、『貸切バス』で発生した場合はどうでしょう?
所属する営業所から数百キロ離れた観光地で、同じ状況が起きてしまった貸切バスの場合、乗務員は、体調不良を感じたからと言って、運行を中断することはできるのでしょうか?
その際、バスの乗客はどうすればいいのでしょうか?

 

運行の中断という判断は簡単か?

SF映画のように未来が見えて、『事故の起こること』がわかっていれば、誰だって運行を中断することができます。
しかし、私たちには未来が見えませんから、ひょっとすると発生する『かもしれない』事故のために、運行を中断して乗客を巻き込むことは、『出来るだけ避けたい⇒だから我慢して運行を継続する』、という選択になりかねません。

私の仕事は、『事業用自動車の運行の安全』のお手伝いをすることですから、
 
『少しでも自分の体調に不安を感じたら、即座に運行を中断し、運行管理者にその旨を連絡し・・・・・』
 
と、紋切り型のセリフを言うことができます。
これはまさしく正論そのものだからです。
しかし、先にも述べたとおり、この正論を実行することは、現実にはそうそう簡単なことではありません。

 

乗務員が体調不良のため、運行を中断したとします。
営業所から遠く離れた観光地の路上です。
お客様のために、すぐに対応する必要があります。
 
⇒ 代わりの乗務員をすぐ現場に急行させる?
⇒ 待機している観光地に近いバス会社に連絡をして、代替車両を出してもらう?
⇒ 近くの旅行会社から人を出してもらって、最寄りの駅まで乗客を誘導する?

 
いずれにせよ、大騒ぎは間違いありません。
旅行会社経由の仕事であれば、損害賠償請求の問題もあるでしょう。
乗客の中からも体調不良の人がでるかもしれませんし、予定が変わったことに対する補償が要求されるかもしれません。

 

日ごろから話し合っておくことが大事

万が一にも、乗務員の健康起因による事故が発生させることはできません。
乗務員が自身の体調に不安を感じたら、すぐに運行を中断して『乗客と周囲の安全を守ること』は当然のことです。
しかし、上記のような問題を考えたとき、この正しい判断を実行に移すことは容易なことではありません。

『運行の中断』はいつでも起こりうることを仮定して、日ごろから社内でその対策について話し合っておきましょう。
特に、観光バスを運行している事業者さんは、先に書いたようなシミュレーショントレーニングをしておく必要があります。
私たちは、日ごろから予測、準備した範囲でしか行動できないことを、しっかり肝に命じておきましょう。

 

重大事故を起こすと詳細な調査がされる

被害が大きい事故を発生させると、国の事故調査委員会の調査が行われます。
この調査は、皆さんが想像する以上に、綿密かつ精緻なものです。

当日の運行管理体制はもちろんのこと、乗務員の行動については、1週間以上前から追跡されます。
運行管理体制の調査から、車両管理の体制など、その調査の細かさは支局の一般監査の比ではありません。
 
『事故調の調査は怖いから、ちゃんと対策をしましょう、というわけではありません。
 
今回の事故調の報告書を読んで、『一旦事故を起こしたら、こんなに細かく調べられるのだ』ということは理解をしておいてください。
 
Click!⇒事故調査報告書(令和3年1月22日)

 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】

 

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