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貸切バス トラック 整備管理補助者を選任しましょう

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実務全般について

整備管理者の仕事

整備管理者の業務について把握されているでしょうか?
何となく選任して、何となくハンコを押しているだけになっていませんか?
整備管理者の業務についておさらいしておきましょう。

①日常点検基準で定める日常点検の実施方法を定める。
②日常点検の結果に基づいて、運行の可否を決定する。
③定期点検基準で定める定期点検を実施する。(外注依頼を含める)
④日常点検整備及び定期点検整備で定める以外の、随時必要な点検を実施する。
⑤日常点検、定期点検又は必要な点検を行った結果に応じて必要な整備をする。
⑥点検整備に関する記録簿を管理する。
⑦必要な整備の実施計画を定める。
⑧事業用自動車の自動車車庫を管理する。
⑨上記に掲げる事項を処理するため、運転者及び整備員その他の者を指導し又は監督する。

 

整備管理が雑になる

当社では数十社の事業者さんのサポートをさせていただいておりますが、整備管理者の選任についてはかなり明確な特徴(法則?)があります。
それは、『代表者ほとんど整備管理者』です。
運行管理者の選任については、皆さんかなり真剣に事業計画として捉えていらっしゃいますが、どうも整備管理者の話になるとどこか他人事の感がぬぐえません。

巡回指導や一般監査の際に、運行管理や整備管理の有効性が問題視(チェック)されます。
運行管理でよくある間違いは『自己点呼』です。
運行管理者が急に乗務員として乗務しなければならなくなって、自分で自分の点呼をやってしまうケースです。
※日ごろから有効な点呼を行っている事業者さんではこういうことは起こりません。
いつも『シャチハタ点呼』をやっているからこんなことが起こるのです。
 
同じ様なことが整備管理についても発生します。
働き者の社長さんが朝5時に出て行ってしまっているのに、最後の乗務員の出庫が8時のパターン。
『8時に出庫した車両の日常点検欄にハンコを押したのはだれ?』と訊かれるケースです。

 

補助者の制度をうまく活用しましょう

人数の少ない事業者さんで、何人もの整備管理者を配置するのは大変です。
しかし、整備管理についても点呼と同様に『客観的なチェック』が不可欠ですから、有効性のあるチェック体制を作る必要があります。
そのために活用すべきは、整備管理者の補助者を選任することです。

整備管理補助者の業務は大変限れられたものです。
しかし、いずれも日常業務に関わるものですから、補助者の選任意義はとても高いものです。
 
★補助者のできること
①日常点検の結果に基づいて運行の可否の決定をする。
②日常点検の実施の指導など、日常点検に係る業務を補助する。

 

補助者専任の手順

整備管理補助者の選解任は運輸支局に届け出る必要がありません。(旅客・貨物ともに)
しかし、補助者が管理者に代わって業務を行うにあたって、補助者への教育と社内への周知が必要になります。

★整備管理補助者の選任手順
①補助者に必要な教育を行います。
※選任前研修の受講者がその内容を教授します。
 
②管理者は補助者が行う業務について明確に指示します。
※マニュアルのようなものがあるといい。
 
③管理者が補助者を選任し、組織図などに書き入れて社内に掲示します。
※整備管理規程の余白に書き入れて、それを掲示しても構いません。

 
 

こんな方法もありますが

自分が一日乗務する車両の点検を他人に任せるのはお勧めできません。
緊急避難的にこのような方法を取るのは結構ですが、できれば常時営業所にいらっしゃる方(事務員さんでもOK)に教育を施して、補助者に選任するようにして下さい。

 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】