貨物運送の事業者さんにも運輸安全マネジメントの構築は必要です。
安全統括管理者の選任や安全管理規定の届出など、義務が発生するのは200台以上(非けん引車除く)の事業者ですが、それ以下の事業者であっても、安マネの構築は義務となっています。
『でも、安マネなんて、何やっていいかわかんないよ・・・』
なんて、社長や部長のために、本日は、とても気軽に安マネを構築する方法を伝授いたします。
これで、巡回指導も安心ですね。
※実際には、もっとやることがあります。今回お教えするのは、最低限のパーツを使った構築です。
(社長案件)輸送の安全に関する基本的方針を決めます
社長の仕事になります。
- 入れる必要がある文言
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1.輸送の安全の確保が一番大事であること(最優先であること)
2.法令等を遵守すること
3.運行管理体制を継続的に改善し見直すこと
この基本方針は、安全に関する社是のようなものなので、一度決めたらあまり変更することはありません。
つまり、最初だけ頑張ればいいということです。
✅基本方針を作成して、点呼場や食堂に掲示しましょう。
(社長案件)毎年新しい安全目標を立てる
今年度の安全目標を立てます。
こちらは、安全方針と違って毎年立案します。
- コツは?
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★できるだけ具体的な数値目標で
(例)人身事故・物損事故ゼロ
(例)交通違反3件以内★社長ひとりで決めるのではなく社員も参加させる
キャンペーンや、賞品のついた懸賞方式にしてもいいかもしれません。
★目標を立てる日を行事にする
毎年、決まった日に安全目標を立案するようにしましょう。
✅今年度の安全目標を、点呼場所や食堂など、全従業員の目につきやすい場所に掲示しておきましょう。
(社長案件)安全管理規定を作ろう
安全管理規定を作成しておきましょう。
難しいことはありません。
国土交通省から、モデルが発表されています。
✅安全管理規定を作成して、社内に掲示しましょう。
(社長案件)安全統括管理者の選任
安全統括管理者の選任は、中小規模の会社では任意ですが、できたら皆さんの会社でも選任しておきましょう。
✅安全統括管理者を選任して、選任の辞令を掲示しておきましょう。
(安全統括管理者案件)昨年度の安全目標の達成度を検証する
安全統括管理者が中心となって、昨年度の安全目標の達成度を検証します。
✅安全目標の達成度を、点呼場所や食堂など、全従業員の目につきやすい場所に掲示しておきましょう。
(安全統括管理者案件)事故などへの対応方法を明確にしておく
安全統括管理者は、万が一の事故などの場合に備え、対応を方法を明確にしておく必要があります。
- 具体的には?
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★緊急連絡網の作成
社内ですぐに利用できる緊急連絡網を作成しておきましょう。
★事故記録(速報も含めて)に関するルール作成
事故の際に、速報をすべきかどうかの判断も含めて、適切なルールを作成しておきましょう。
✅緊急連絡網を社内の目立つところに掲示しましょう。
✅速報が必要な事故・事件が一目でわかるように掲示しておきましょう。
(教育担当者案件)従業員教育の目標と結果の記録
貨物の会社だからと言って、乗務員だけを教育していればいいというわけではありません。
乗務員は当然のことながら、運行管理や整備管理の補助者、運行管理ソフトを扱う事務職の方にも教育は必要です。
従業員の教育については、教育の予定と結果を掲示するようにします。
✅今年度の教育プログラム(予定)を作成して掲示しましょう。
(社長・管理者共同案件)1年に1度は総チェックを行いましょう
運輸安全マネジメントは、マネジメントシステムですから、1年に最低1回は内容をチェックして、軌道修正することが必要です。
チェックすることを監査と言い、軌道修正することをマネジメントレビューと言います。
✅自社でチェックシートを作成して、毎年1回以上のチェックと、見直し(軌道修正)します。
✅チェックした結果を、社内に掲示しましょう。
(安全統括管理者案件)公開用を作成しましょう
運輸安全マネジメントの公開には、今まで掲示してきた資料をまとめて利用しましょう。
✅社内で掲示したものから、個人情報などを削除して、公開用を作りましょう。
ここまでできれば十分です。
さあ、チャレンジしましょう。
登録してくれた方には、上記の安マネチェックシート(Excel版)をプレゼントいたします。