都内や観光地のホテル、旅館には無料の送迎バスが用意されていることがあります。
また、ゴルフ場にはかなり高い確率で、近くの駅までの無料送迎バスが運行されています。
今回は、この無料送迎バスについて考えてみたいと思います。
白バスでの無料送迎は合法か?
緑ナンバーで運行するいわゆる事業用自動車には大切な要件があります。
それは、『他人の需要に応じて有償で旅客を運送する』というものです。
この点だけを考慮すると、有償ではなく無償(無料)で運送する場合は白ナンバーであってもいいことになります。
では、次に問題となるのは、その運行、ホントに無償(無料)なの?ってところです。
- 本当に無料なのか・・・
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無料の送迎バスは、この考え方を利用したものです。
ホテルや旅客などの宿泊施設が、自分で用意した白ナンバーのバスで宿泊客、利用客をお金をもらわずに送迎するのであれば許可は必要ない、ということです。利用者にとっては大変便利なサービスですが、この制度を悪用して法律の網をかいくぐるような使い方も見られるようになりました。
貸切バスの下限割れを白バスで回避しようとするのは、よくありがちな脱法行為です。
この後は、いろいろなシチュエーションで、この白ナンバーでの送迎について考えてみます。
レストランや料亭の無料送迎
レストランや料亭などの飲食店が、無料の送迎バスを用意することがあります。
最寄りの駅から少し距離がある場合などに、集客を目的として店側がコストを負担する方法です。
- サービスに差がないことが大事
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お店と最寄りの駅の送迎を無料で行うのであれば何の問題もありません。
この場合に大切なことは、『送迎バスを利用しなかったお客様への別サービスの提供がないこと』です。たとえば、送迎バスを利用しなかったお客様にデザートのサービスがあった場合などは、送迎バスを利用したお客様と利用しなかったお客様との間にサービスの差異が生じたことになり、厳密な意味では無料送迎と言えなくなる可能性があります。
もしもこのようなケースの場合、白ナンバーでの運行は無許可運行となる可能性があります。
ホテルや旅館の無料送迎
観光地の宿泊施設にとって、無料の送迎バスは大切な営業ツールです。
上記の場合と同様に、送迎バスを利用したお客様と利用しないお客様とのサービスに違いがなければ何ら問題にはなりません。
更に、注意が必要なのは、宿泊施設が持つ白ナンバーのバスでの観光案内です。
- 観光案内はちょっと危険
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★白バスを使っての宿周辺の無料足湯めぐり
過剰サービスとして違法と判断される可能性が高いです。★鍾乳洞ツアー(有料)の出発地点までの無料送迎
出発地点に自分で向かったお客様と、送迎バスを利用したお客様との料金に差がなければ問題ありません。
ゴルフ場の無料送迎
駅に近いゴルフ場はあまりありません。
ゴルフ場にとっても、無料送迎バスはとても大切な営業ツールです。
- 最寄り駅ならOKだけど・・・
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無料送迎が認められるのは、ゴルフ場と最寄りの駅の間の運行です。
この場合の最寄り駅はひとつである必要はなく、別路線で複数の駅を選ぶことができます。★最寄りではない新幹線の駅からの送迎
『自家用車で来場する利用客との間でプレイフィーに差がなければ』というところですが、実質的に差がないとする理由が不明なので、過剰サービスで違反となるでしょう。
塾や放課後ディサービスの無料送迎
放課後ディサービスは夫婦共働き家庭にとって、大変利用しやすいサービスです。
最近は自宅までの送迎もセットになったサービスが提供されて、より使いやすくなっています。
また、夜遅くまで勉強を頑張る子供を、無料で送迎してくれる塾も多くなっています。
- 基本的には問題ない
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放課後ディサービスや塾でバスを運行することはあまりないでしょう。
大きくてもハイエースクラスの自家用自動車を利用しての送迎です。
このようなケースで白ナンバーの無料送迎が許される条件は以下のとおりです。①施設と利用者の自宅までの輸送であること。
②ガソリン代などの実費も含めて、費用負担を求めないこと。
③送迎を利用する場合と利用しない場合で料金に差がないこと。
④同様に受けられるサービスに差がないこと。★送迎利用者の請求書に『施設協力金500円』と書かれている。
たとえ運賃と書かれていなくても、明らかに送迎利用者に一定の負担が課されている場合は、運賃とみなされることがあり、注意が必要です。
ノーアクションレター制度を利用しよう
自分たちが合法だと思っている行為も正確には違法であった、ということがあり得ます。
特に許認可を必要とする業務に関して、合法であるかどうかの判断に迷った場合、法令適用事前確認手続(ノーアクションレター制度)という制度を利用することができます。
- 法令適用事前確認手続
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法令適用事前確認手続へのリンク行政への問い合わせ及び回答が公表されるシステムですが、公表を望まないことも可能です。
大きな投資が必要な事業については、所管の行政庁と直接協議することをお勧めしますが、今回の白バスように『現在進行形でやってしまっているが、少し不安になってきた』というような内容の照会には便利なシステムです。
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