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バスやトラックの事故報告で細かいところ(車両が故障で運行が中断した場合)

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法律や規則に関すること

事業用自動車のルールとして、事故があった場合には国土交通大臣にその詳細を報告することが義務付けられています。
 
『どんな事故の際に報告をしなければならないか』については、法令等を読み返していただくのが一番ですので、ここでは省略します。
 
今日問題にするのは、事故の中でも『故障により運行できなくなったもの』についてです。

故障により運行できなくなったものとは?

旅客の場合でも、貨物の場合でも、法令で定めれた部分の故障によって、運行ができなくなった場合は、必ず報告をしなければなりません。

自動車事故報告規則
(定義)
第二条 この省令で「事故」とは、次の各号のいずれかに該当する自動車の事故をいう。
(略)
十一 自動車の装置(道路運送車両法(中略)に掲げる装置)の故障により、自動車が運行できなくなったもの

どこが壊れたら事故になるのか
『故障により運行できなくなった』といっても、その故障の内容によっては、報告がいらない場合もあります。
どの部分の故障が対象になるかは、道路運送車両法に書かれています。
道路運送車両法第四十一条第一項
第四十一条 自動車は、次に掲げる装置について、国土交通省令で定める保安上又は公害防止その他の環境保全上の技術基準に適合するものでなければ、運行の用に供してはならない。
一 原動機及び動力伝達装置
二 車輪及び車軸、そりその他の走行装置
三 操縦装置
四 制動装置
五 ばねその他の緩衝装置
六 燃料装置及び電気装置
七 車枠及び車体
八 連結装置
九 乗車装置及び物品積載装置
十 前面ガラスその他の窓ガラス
十一 消音器その他の騒音防止装置
十二 ばい煙、悪臭のあるガス、有毒なガス等の発散防止装置
十三 前照灯、番号灯、尾灯、制動灯、車幅灯その他の灯火装置及び反射器
十四 警音器その他の警報装置
十五 方向指示器その他の指示装置
十六 後写鏡、窓拭き器その他の視野を確保する装置
十七 速度計、走行距離計その他の計器
十八 消火器その他の防火装置
十九 内圧容器及びその附属装置
二十 自動運行装置
二十一 その他政令で定める特に必要な自動車の装置

壊れただけでは事故にならない

上だけ読むと、どこかちょっと壊れても困ったことになりそうですが、そんなことはありません。
 
大前提として、運行が継続できなくなったら事故扱いとなっています。

代車でつないでもダメ?
✅ミッションに異常が出て、走行が不能になった
 
実務の場面では、荷主や旅客の保護のため、取り急ぎ代わりの車両を出すことがあります。
『代車を出して運行を継続したのだから、良いじゃないか』という感じですが、故障をして運行を継続できなくなった事実に変わりはないので、必ず報告が必要になります。

修理して直った場合は?

運行が継続できなくなった場合は、事故報告の対象となることがわかりました。
代車を出した場合でも、運行できなくなったと判断されることも理解しました。
 
では、故障した車両を現地で修理、運行を再開できた場合はどうなるのでしょうか?

2つのケースがある
✅修理業者さんに依頼して直った場合
 
故障して運行が中断したけれども、JAFなど外部の機関の応急手当で修理ができ、運行を再開できたような場合です。
 
この場合は、代車のときと同じで、事故報告の対象となります。
 
✅ドライバーの処置で運行を再開できた場合
 
たとえば、ラジエターの水がなぜか減っていて、オーバーヒートになったようなケースです。
20分くらいエンジンを休ませて、ドライバーさんが、余っていたペットボトルの水をラジエターに入れ、無事に運行再開、降車場所までたどり着いたような場合です。
 
この場合は、乗務員以外の誰かの手を借りたわけではないので、事故報告の対象にはなりません。

ちょっとややこしいですが、根拠は以下の通達にあります。

自動車事故報告書等の取扱要領
1 自動車事故報告規則(昭和26年運輸省令第104号。以下「規則」という。)第2条第11号に規定する「自動車の装置の故障(以下単に「故障」という。)により、自
動車が運行できなくなったもの」とは、次に掲げるものをいう。
イ.装置の不具合により自動車の運行を中止したものであって、運行を再開することができなかったもの
ロ.装置の不具合により自動車の運行を中止したものであって、
乗務員以外の者の修理等により運行を再開したもの

事故報告を忘れていると・・・

事故の報告を忘れたり、なかったことにすると、行政処分をうけることがあります。

隠すとロクなことがない
✅事故の記録義務違反  20日車
 
✅自動車事故報告規則に規定する事故の届出義務違反  10日車
 
✅同 虚偽届出(嘘ついた場合)  60日車

提出する事故報告書には、故障した車両の車検証情報や壊れた部品の情報(図や写真など)が必要になります。
 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】