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【貨物】【旅客】免許取得費用の補助の注意点(運転手募集の強力ツール)

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法律や規則に関すること

自動車免許の補助を出す会社が増えている

今や、事業用自動車の世界では、ドライバーの雇用について、完全な売り手市場となっています。
各社、人員確保のためにいろいろな補助をしていますが、免許取得補助もその一つです。

貨物なら大型免許・旅客なら二種免許
貨物事業者なら、中型免許や大型免許に対する補助が多そうです。
旅客なら、普通~大型までの二種免許になるでしょう。
 
いずれの場合も、会社の負担は50万円くらいになります。

免許取得補助にまつわる細かな疑問

このような免許取得補助の制度は、これからプロドライバーを目指す求職者にとって、とても魅力的です。
募集をする会社側にとっても、イチからよいドライバーを育てる機会に恵まれる可能性があり、魅力的な人材を得られるかもしれない、そんな期待を持つことができる制度です。

一方でいろいろ疑問が・・・
疑問その一 教習時間は時給発生?
仕事に必要な免許をとるために、自分の時間を犠牲にするわけですから、ひょっとすると、教習時間に時給が発生するのではないか?という疑問です。
 
疑問その二 補助したお金は経費?それとも給与?
これも素朴に疑問です。
ちなみに、行政書士事務所で、行政書士の資格のためのスクール費用は、給与に当たると判断されました。
※ただし、費用を出してもらった方が自分で確定申告すれば、スクール費用としてもらった分は控除されます。
 
疑問その三 免許取得後の縛りはどうすれば?
免許を取らせたところまでいいけれど、入社して半年もしないうちに別の運送会社に転職してしまったら?

教習時間は時給発生?

結論は二つになります。

会社が個別に命令したか、希望者を募ったか
▶会社が個別に命令した場合
本人が希望しないにも関わらず、会社の都合で免許を取得させる場合は、教習時間にも時給が発生します。
 
▶希望者を募った場合
今回のケースは、こちらに当たります。
本人が自分の意志でキャリアアップを図っているわけですから、この場合には時給は発生しません。

補助したお金は経費?それとも給与?

運転免許の場合は、経費計上できることが多いようです。
ただ、担当する税理士さんの考え方にもよる(らしい)ので、この点はしっかりと確かめるようにしてください。
 

免許取得後の縛りはどうすれば?

会社側としては、ここが一番心配なところです。
せっかく免許を会社の費用でとらせたのですから、少なくとも2年くらいは勤務してもらいたいですね。

契約で縛るのは禁止行為
▶やめられないように縛るのは難しい
 
契約書のようなもので、
「〇〇は、免許取得後、2年間は当社で勤務するものとする。もしも、この期間中に退職した場合は、費用の全額を速やかに返済するものとする。」
なんて感じで縛りたいところですが、これは重大な法令違反なので絶対にしてはいけません。
 
労働基準法は、使用者が労働条件の不履行について違約金などを定めたりする行為を禁止しています。
じゃあ、どうすればいいか。
信頼関係を築く?なんか頼りないですね。
 
▶消費貸借契約を結んでおくのが正解
免許の取得を希望する求職者(従業員)には、とりあえず免許取得に必要な金銭を貸与する形を取るのが正解です。
そして、この消費貸借契約書に特記事項を設けて、会社に所属し、契約の日から2年が経過したら、当該契約そのものが消滅するようにしておけばいいのです。
 
消費貸借契約に不安を抱く求職者(従業員)がいるかもしれませんが、理由をキチンと説明すれば、こちらの意図は伝わるのではないかと思います。
【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】