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【貸切バス】手数料に関するデマに気を付けてください

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その他

いつものデマがまた発生・・・

当社のサポート先のお客様が、つい先日の巡回指導において、指導員の方から以下のような警告?を受けたそうです。
『手数料を支払って下限を割るのは、完全にアウトになりました。』
『本当は4月から決まったんだけど、まあ6月からダメです』

そのようなお話があったので、ビックリして関東運輸局の担当者の方に確認しました。
結論から申し上げますと、特に今までと変わる部分はありません。
とりあえずホッとしました。

 

手数料に関する基本の考え方は変わらない

もともと手数料は、自社で対応できない営業部分を委託するための経費ですから、よく問題になる『下限割れ』とは少し問題点が違います。
手数料に関する取扱いに関しては、国土交通省の考え方も一貫しており、非常にわかりやすいものだったので、これを簡単に変更することはない、と思っていました。
 

運送引受書の段階、つまり距離制運賃と時間制運賃の合算の部分で下限が割れているのであれば、これは文句なく『運賃料金変更事前届出違反』になります。
しかし、上記の運賃は下限より上であるのに、旅行会社に手数料を支払ったために、結果として下限を割ったのであれば、これは審査の対象となります。
 
具体的には、様々な財務資料を提出して、管轄の運輸局の担当官が原価計算をすることになります。
その結果、下限を割り込んだ割合が安全確保経費に食い込んでいる場合は、改めて『運賃又は料金の割り戻し違反』を宣告されることになります。

 

年間契約から手数料を引く??

つい最近ですが、こんな質問を別の事業者さんから受けました。
『年間契約を結んでいる旅行会社に手数料を要求されているけど、大丈夫だろうか?』

この件についても、判断がつかなかったので、関東運輸局にお尋ねしました。
結論から申し上げますと、手数料を支払って下限を割るのであれば、やはり審査対象、その原則のとおりになる、とのことです。
 
しかし、問題があります。
基本運賃を下限で設定すると、年間契約を結ぶことによって、おおむね下限から30%(少し欠ける)くらいの割引率になります。
そこからさらに手数料を(10%としましょう)を引いたとすると、下限から37%の割引率になってしまいます。
この時、下限割れのスタートラインを通常の下限ラインと考えるのか、それとも年間契約での下限ラインと考えるのかによって、安全確保経費とのバランスも大きく変わってきます。
 
この点をしつこくお尋ねしたのですが、明確な答えはでませんでした。

 

適正運賃を確保できるように頑張りましょう

コロナの中で、旅客の事業者は本当に大変な思いをされています。
仕事がとても少ない中で、手数料率のことなど考えていられない、というのが本音だと思います。
しかし、そんな中でも巡回指導はありますし、一般監査も行われます。
 
下限を割ったって仕事をしなけりゃどうにもならない。
心情的には本当に理解できるのですが、できるだけ安全コストをしっかり確保できるように、何とか頑張って下さい。
 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】