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貸切バス トラック 健康診断について詳しく解説します。

2020年2月10日14時09分

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。


健康診断は、従業員さんの健康状態を客観的に把握するために、必ず実施する必要のあるものです。
世の中には様々な仕事がありますが、事業用自動車の乗務員については万が一の事故の場合の社会的影響も大きく、危険防止の観点からも健康診断によるチェックが重要視されています。

雇い入れ時の健康診断の検査項目

乗務員を雇入れたときに行うのが、雇い入れ時健康診断です。
この診断は、乗務員として選任する前に行う必要がありますので、順番が逆にならないように注意が必要です。
 
基本的には入社後にすぐ行うものですが、例外がひとつあります。

医師による健康診断を受けた後、三月を経過しない者を雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、当該健康診断の項目に相当する項目については、この限りでない。
※労働安全衛生規則第43条より

 

▶雇い入れ時健康診断項目
①既往歴及び業務歴の調査
②自覚症状及び他覚症状の有無の検査
③身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
④胸部エックス線検査
⑤血圧の測定
⑥貧血検査(※1)
⑦肝機能検査(※2)
⑧血中脂質検査(※3)
⑨血糖検査
⑩尿検査(※4)
⑪心電図検査
 
※1 正式には「血色素量及び赤血球数の検査」
※2 正式には「血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ、血清グルタミックピルビックトランスアミナーゼ及びガンマ―グルタミルトランスペプチダーゼの検査」
※3 正式には「低比重リポ蛋白コレステロール、高比重リポ蛋白コレステロール及び血清トリグリセライドの量の検査」
※4 正式には「尿中の糖及び蛋白の有無の検査」

 
雇い入れ時の健康診断については、医師の判断による省略項目はありません。

定期健康診断

乗務員として選任された者に対しては、1年に1度ないしは、半年に1度の定期的な健康診断での確認が必要です。
1年に1度でいいのか、半年に1度なのかは、以下のルールによって定められています。

事業者は、第十三条第一項第三号(※5)に掲げる業務に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び六月以内ごとに一回、定期に、第四十四条第一項各号に掲げる項目(※6)について医師による健康診断を行わなければならない。この場合において、同項第四号の項目(※7)については、一年以内ごとに一回、定期に、行えば足りるものとする。
 
※5 いろいろありますが、今回は深夜業のことと思ってください。
※6 上に挙げた検査項目のことです。
※7 胸のレントゲン検査のことです。
レントゲン検査は放射線を利用しますので、被ばく量の観点から1年に1度でいいとされています。

 
ここで補足が必要なのは、赤字で示した『当該業務への配置換えの際』の部分です。
『当該業務への配置換えの際』というのは、以下のような場合が考えられます。

Aさんは35歳で当該バス会社に入社以来、運行管理者として勤務してきました。
しかし、最近の乗務員不足に頭を悩ませる社長から、大型二種免許の取得を希望されました。
Aさんは頑張って免許の取得をすることができました。
 
Aさんはこの3月から運行管理者と兼務して、週に2回、企業送迎の大型バスに乗務します。
この業務の最終便は21時45分に最寄り駅降車ですので、車庫に戻るのは毎回22時30分くらいになります。

 

このような場合、Aさんは乗務員として選任される前に、一度健康診断を受ける必要があります。
理由はお分かりだと思いますが、Aさんは3月から深夜労働者の仲間入りをします。
運行管理者⇒乗務員という理由ではありません。
勘違いしやすいケースですから注意したいですね。
 

深夜労働者とは?

深夜業というのは、夜の10時以降、朝5時までの間にかかる勤務をする労働者のことです。
では、その頻度はどのように考えるのでしょうか?

深夜業を含む業務とは、業務の常態として深夜業を1週1回以上または1ヶ月に4回以上おこなう業務をいう。
※労働安全衛生法 (昭和23年10月1日基発1456号)
 
今いる乗務員さんが、深夜労働者かどうかは、以下の2点から判断します。
①22時から翌5時までの間の勤務実績があるかどうか。
⇒極端な話、1分でも入っていればアウトです。
②1週1回以上または1ヶ月に4回以上おこなうことがあるかどうか。

 

定期健康診断の検査項目

年に1回にせよ、2回にせよ、定期的な健康診断が必要なことはわかりました。
では、その検査項目ついて確認しておきましょう。

①既往歴及び業務歴の調査
②自覚症状及び他覚症状の有無の検査
③身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
④胸部エックス線検査及び喀痰かくたん検査

⑤血圧の測定
⑥貧血検査
⑦肝機能検査
⑧血中脂質検査
⑨血糖検査

⑩尿検査
⑪心電図検査
 
青文字の部分は、医師の判断によって検査を省略できる項目です。
では、どんな場合に医師の判断が決まるのでしょうか?

 

定期健康診断で省略できる項目

雇い入れ時の健康診断については省略項目がない、とお話ししました。
しかし、定期健診では一定の場合に一部の検査を省略することができます。

☑身長
20以上の者
 
☑腹囲
次のいずれかに当てはまる者
①40歳未満(35歳を除く)の者
②妊娠中の女性その他の者であって、その腹囲が内蔵脂肪の蓄積を反映していないと診断された者
③BMIが20未満である者
④自ら腹囲を測定し、その値を申告した者(BMI22未満の者に限る)
 
☑胸部X線検査
40歳未満のうち、次のいずれにも該当しない者
①5年ごとの節目年齢(20歳、25歳、30歳、35歳)の者
②感染症法で結核にかかる定期の健康診断の対象とされている施設等で働いている者
③じん肺法で3年に1回のじん肺健康診断の対象とされている者
 
☑喀痰検査
次のいずれかに当てはまる者
①胸部X線検査を省略された者
②胸部X線検査によって病変の発見されない者または結核発病のおそれがないと診断された者
 
☑血液検査
35歳未満の者及び36歳~39歳の者

 

検診は受けた後のフォローが大事

健康診断はただ受ければいいのではありません。
健康診断の結果を受けて、事業者は一定のアクションを取らなければならないときがあります。
 
それは、健康診断の結果に問題があった場合です。

健康診断の結果に異常値があった場合の対処がとても大切です。
 
検診結果には緊急度の高いものから、生活習慣病などの長期的対策の必要なものまで多岐にわたって含まれています。
これらの情報の中から、どれが緊急でどれがそうでないのかを医師でない者が判断することは難しいので、できれば産業医などに相談されることをお勧めいたします。
 
ただ、事業者が最低限できることとして、再検査や要精密検査にあたるような項目については、本人の検査の受診状況や検査結果の確認などをしっかりとリサーチする姿勢は必要です。

 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】

 

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