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【旅客】【貨物】休止していた事業再開のプロセスについて

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一般貨物

事業再開とは?

コロナ禍の影響で、事業を休止(少しの間休む)していた事業者さんも少なくありません。
リゾート施設の経営と貸切バス事業の両方を手掛けていて、貸切バス事業だけ休止していたような例です。

事業の休止とは?
事業の休止は届出です。
但し、車庫を一度返却する必要がある場合などは、この部分について認可が必要になります。
 
事業の休止については、以下で詳しく解説しています。
事業の休止について詳しく解説します

基本的には届出

事業の休止が届出だったのですから、再開も基本的に届出です。
この届出は事後で問題ないので、例えば2月1日に事業を再開したのであれば、その後速やかに届出を提出すれば大丈夫です。
 

認可が必要なこともある

事業再開が届出だけで済むケースは意外と少なく、届出の前に何らかの認可申請が必要になるケースが多くみられます。
なぜでしょう?

なぜ認可が必要?
▶休止の間に、営業所として借りていた建物を貸主に返却してしまっていた
⇒本当は営業所を返却してはいけません
⇒営業所が(移転ではなく)なくなると、事業の休止にならなくなるからです。
 
この場合、新しい営業所が必要になりますから、営業所移転の認可申請が必要になります。
※事実は『新規営業所』になるのですが、形式上『移転』になります。
 
▶休止の間に、車庫として借りていた土地を貸主に返却してしまっていた
こちらは問題ありません。
新しい車庫の認可申請が必要になるだけです。

営業所の移転や、車庫新設の認可が下りたら、連絡書の発行を受け、ナンバーを登録します。
各管理者の選任など、細かい手続きが必要になりますが、これで無事に事業を再開することができました。

乗務員の再教育問題

例えば、2年間事業を休止していた場合、選任されたままだった乗務員さんの再教育はどうすればいいのでしょう?
ひょっとすると、この乗務員さんたちは、準初任運転者にあたるのではないでしょうか?

選任乗務員は準初任運転者?
▶準初任運転者にはあたりません
しかし、休止の期間、(当該事業者の車両の)運転実務から離れていたのは事実です。
運転業務を再開させるにあたり、運転スキルの確認は必要ないのでしょうか?
運転スキルの確認は必要
▶東京オリンピックの際に通達がでている
事業再開にあたっては、以下のような通達がでています。
 
運行管理者は、一定期間運転業務から離れている運転者が運転業務を行う前には、運転者に対して実技等による指導及び監督を実施した上で運転業務を再開させること。
 
東京オリンピックに合わせて、以下のようなリーフレットも出ています。
運転手の技量確認については、19ページ以降に記載されています。
 
貸切バスの輸送の安全確保の徹底について(関東運輸局)

セイフティはどうなる?

今年の1月まで事業を休止していた貸切バス事業者さんが、この2月から事業を再開しようと考えた場合、4月のセーフティの申請はできるのでしょうか?

基本的にできる、と考えていい
日本バス協会さんにお尋ねしました。
そのお答えの主旨は、以下のようなものです。
 
①2月~3月に事業をやっていて、運行があり、事業の実態があれば、基本的に申請は可能。
②必要書類はすべて基本通り。
③事業を再開していても、運行がゼロの場合は、運行管理の実態を把握できないので、評価できない。
【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】