貨物運送事業や旅客運送事業では、市街化調整区域にトレーラハウスの事務所を設置して事業を開始する方法があります。
昨年くらいからお問い合わせが多く、当社の許可実績も増えてきましたので、一度基本を解説しておきたいと思います。
市街化調整区域とは?
日本全国の土地には市街化を積極的に進める場所と、できるだけそのままの状態を保持しておきたい場所があります。
このような線引きをしておかないと、無秩序に市街化が進められて環境の破壊が著しくなります。
都市計画的にも、限られた予算の中で効率的なインフラ整備をするためには、範囲が限定されていた方が有利です。
- ややこしい・・・
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市街化区域、市街化調整区域、非線引き区域というのは都市計画法のきまりです。
登記簿謄本に書かれている、『宅地』や『田』などとは別の法律によって決められています。
また、『第一種低層住居専用地域』や『工業地域』などの用途指定とも意味が違います。
調整区域には建物が立たない?
基本的には建ちません。
なぜなら、市街化調整区域では建物を建てようとしても、自治体の建築許可が下りないからです。
では、何も建たないのかというと、そういうこともありません。
地域の生活に必要な、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、大手運送会社の物流拠点、自動車修理工場などは許可になる場合があります。
- 周辺環境を守る仕組み
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建物は一度建築されてしまうと、数十年という単位で壊すことができなくなってしまいます。
せっかく市街化せずに、今現在の環境を守ろうと決めた地域に建物が建ってしまうと、都市計画の意味がなくなってしまいます。では、知らぬふりをして、市街化調整区域に建物を建てたらどうでしょう?
市街化調整区域は基本的に田舎です。そんなところで、いきなり無許可建築を始めれば、すぐに通報されます。
市街化調整区域に無許可で建築物を作ると、違法建築物となって、撤去を命じられることもあります。
車庫は広い方がいいから市街化調整区域が人気
貨物自動車運送事業を始めようとする場合、最低でも5台のトラックを用意する必要があります。
旅客運送事業の場合も、大型バスを使用するのであれば、最低5台のバスを用意しなければなりません。
トラックやバスの車庫のために、広い土地を探すとどうしても市街化調整区域の土地を検討しなければならなくなります。
市街化地域でも探せますが、周辺環境に問題があったり、維持するためのコストが倍増したりします。
- 調整区域は車庫としては最適
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運輸局の目安で考えると、貨物にせよ旅客にせよ、必要な車庫面積は1台あたり30㎡ほどです。
しかし、実際の運用を考えると同じ賃料であるならば、車庫は広ければ広い方がいいと考えるのが普通です。
市街化調整区域が車庫の候補地として人気がある理由がここにあります。市街化区域で、営業所の建物に併設した車庫を探すのはいろいろな意味で大変です。
特に前面道路との関係は重要で、市街化区域の厳しい道路事情では車庫内での転回なども含めて、より広い車庫が必要という矛盾が生じます。
建築物でなければいい?
本当なら営業所に車庫が併設されているのが理想ですが、それが不可能な場合、事業用自動車の車庫は、拠点となる営業所から一定の範囲に設置しなければなりません。
トラックなら地域差はありますが、5㎞から10㎞。
バスやタクシーなどの旅客運送事業は、全国一律2㎞となっています。
市街化区域の土地を車庫として利用する場合、建築許可をとって営業所を車庫敷地内に建設してしまえばいいのですが、市街化調整区域ではそれもできません。
- トレーラーハウスとは?
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そこで登場するのが、トレーラーハウスです。
トレーラーハウスは車輪がついており、けん引されるためのフックもついています。
つまり、いつでも必要に応じて移動することができるので、建築物にはあたらないと考えられるわけです。トレーラーハウス、市街化調整区域にも設置できますし、それを営業所として利用して許可申請することも可能・・・と考えるわけです。
トレーラーハウスを自分で買ってきた・・・
具体的な事例で考えてみましょう。
市街化調整区域にトラックの車庫として1500㎡の土地を借りました。
友人が所有しているトレーラーハウスを安く購入して、自分で設置しました。
ここを本社営業所として一般貨物運送事業の許可を申請したいと考えています。
大丈夫でしょうか?
- 判断するのは自治体
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『トレーラーハウスが建築物でない』かどうかを判断するのは、その地域の自治体です。
こちらがいくら主張しても、自治体が認めなければ建築物のあつかいを受ける可能性があります。自分でトレーラーハウスを購入して、土地に設置してから私たち行政書士に許可申請の依頼をされても、100%許可になるとお約束することはできません。
その理由は・・・・
行政への確認が大切
『トレーラーハウスが建築物ではない』と認められるためには一定の条件と、それを行政に確認する手順が必要です。
それを守らずに申請しても、不許可になる可能性があります。
- いろいろな自治体がある
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✅絶対に認めない自治体もある
『トレーラーハウスを建築物の例外として認めることはできない』と頑なに主張する自治体があります。
そういうところでは、トレーラーハウスの要件うんぬんの前に違法建築物扱いを受けるので、申請そのものがムダになります。✅ナンバー付きかナンバーなしか
トレーラーハウスというのは、通常ならコンテナや重機などが載っているトレーラー部分に事務所や家が載っているスタイルですので、トレーラーであることに違いはありません。
つまり、ナンバーは付いているのが普通で、車検も必要です。トレーラーハウスを建築物とみなさない自治体であっても、いざという時にすぐ撤去できるようにナンバーと車検は必須という自治体もあります。
逆に、そのどちらも要求しない自治体もあります。※最近は、ナンバー付きがあたり前で、ナンバーなしを見とめる自治体はあまりないように聞いています。
電気や水道は?
トレーラーハウスを営業所(事務所)として利用するためには、現実問題として電気や水道が必要になります。
これらの設備も、ワンタッチで接続と切り離しができる設計であることが求められます。
- すぐに動かせるように
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基本的な考え方として、『建物でないのだから、いつでも好きな時に動かせるようにしておくこと』が求められているわけです。
まず行政書士に相談してください
市街化調整区域で良い土地が見つかったら、ご契約の前に運送業に強い行政書士にご相談ください。
トレーラーハウスが認められる可能性のある自治体なのか、認められるなら何をしなければならないのか。
土地選びからトレーラーハウスの購入、設置確認から許可まで、すべてサポートいたします。

