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【雑談】ちょうどいいがちょうどいい

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雑談

還暦を約半年後に控えて、最近ますます『ちょうどいい』ことが大切に思える。
関西弁で言うところの『ええアンバイやなあ』というヤツだ。
その中でも特に、幸運というのは、あまり過度でない方がいい。
 
自動販売機に200円を入れて、うんともすんとも言わないとき、少し強めに機械を揺らしたら、目的のジュースが2本出てきて、ついでに200円も戻ってきた。
これは、ちょうどいい。
ジュースは出てこないが、ピカピカの500円玉硬貨が、カジノの大当たりのように、返金口からザクザク出てきて止まらない。
文字通りの出血大サービス。
これは始末に困る。
 
人生の中で、ちょうどいいが大切だと思えるのは、家族についても同じだ。
ジャンル(スターになる、すごい犯罪者になる)を問わず、家族の中に突拍子もない人がいると、この『ちょうどいい生活』を持続しにくくなる。
残念ながら、親や子供を選ぶことはできないが、伴侶は自分で選択することができるのだから、できるだけちょうどいい人を選ぶことで、(望ましくない)人生の危険を避けることができる。
 
私の妻は、私が、『今夜は天ぷらが食べたいな♪』と言ったら、天ぷら油の温度を170度にキープして、エビを片手に出迎えてくれるようなタイプではないが、何も言わずに冷やし中華を出してくるようなタイプでもない。
『これでいいでしょ』
なんて言いながら、近くのスーパーで芋天くらいは買っておいてくれるような人だ。
これはこれで、ちょうどいい。
 
私は男なので、男性の目線でしか語れないが、女性の容姿にも『ちょうどいい』が存在するようだ。
昼は二日酔いの頭を抱えて惰眠をむさぼり、夜の酒場でしか働かなかった営業マン時代の経験だが、男性からこまめに口説かれる女性というのは、『ちょうどいい』人が多い。
そんな口説かれ上手、いわゆる売れっ子は(容姿がトップクラスの方々と比較して)おおむね7掛けくらいのイメージである。
『口説けばなんとかなる』と勘違いさせるようなスキを、あえて作っているのか。
こちらは『ちょうどいいのプロ』と言える。
 
ゴルフが好きで、月に1回か2回はラウンドするが、ゴルフのスコアにもちょうどいいところがある。
よく、『100を切る』と、壁を越えた、というような言い方をされる。
確かに、この100という数字のちょうどよさは絶妙だ。
事実、(私のように)この100の前後をウロチョロしているようなゴルファーが、一番ゴルフを楽しくプレイできる(と信じている)。
自業自得や、それを起因とする災難によって、130も叩いてしまうと、精神的にも体力的にもかなりダメージを受けるが、逆に、間違って80台など出そうものなら、無駄な練習(やればやるほど悪くなるにも関わらず)と、無駄な買い物(すぐに売ることになるにも関わらず)で、なけなしの小遣いを消費することになる。
(私のように)99とか、106とか、118とか、そのあたりでフラフラしているのが、一番安心で、一番幸せだ。
 
私の家は、丘の上(山の入り口という言い方もできる)にある。
そこから会社までの道ぞいに、昨年新しく居酒屋ができた。
このコロナ禍にオープンして、よく続いているなあ、と感心していたら、最近はかなり繁盛している様子。
噂では、ひとりママさんの評判がすこぶる良く、地元の先輩諸氏が足しげく通っては、小さな店の売上にセッセと貢献しているらしい。
 
先日、そんなお店の前を車で通りかかったら、ちょうど噂のママさんが店の前を掃除している。
おお、この人が地元の先輩方を虜にしているママさんか・・・
 
うんうん。
マスクをしているので、あまりはっきりしたことは言えないが・・・・
 
なるほど。
確かにちょうどいい。
 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】