中小企業診断士・行政書士の高原です。
たまには行政書士らしく、法律用語のオハナシを・・・
今回は「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」の意味の違いについてです。
まずは基本的なニュアンスから
ネットで検索すると、いろいろなサイトで取りあげられているテーマです。
まず緊急性から言うと、
直ちに⇒速やかに⇒遅滞なく
となります。
★直ちに
とにかく早く。
そんなこと言ってる場合か?今すぐやりなさい!
(民法)賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。
★速やかに
できるだけ早く。
今やっていることが終わり次第やりなさい。
(民法)成年後見人は、その受け取った前項の郵便物等で成年後見人の事務に関しないものは、速やかに成年被後見人に交付しなければならない。
(道路運送車両法)国土交通大臣は、第一項の申請に基づき輸出抹消仮登録をしたときは、税関長に対し、当該自動車の輸出の予定日が経過した後速やかに、前項に規定する・・・
★遅滞なく
できるなら早めに。
できる範囲でなるべく早めにやりなさい。
(民法)受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。
「速やかに」は使いにくい?
いろいろな法律を見てみると、この3つの表現について、明確な人気の差があることがわかります。
民法ランキング
★人気第1位
「遅滞なく」 23回
★人気第2位
「直ちに」 10回
★人気第3位
「速やかに」 1回
道路交通法ランキング
★人気第1位
「速やかに」 30回
★人気第2位
「直ちに」 22回
★人気第3位
「遅滞なく」 1回
傾向として、手続きにかかる決まり事には「速やかに」が人気のようです。
いわゆる手続法ですね。
対して、民法などの実体法には「遅滞なく」が人気のようです。
やはり手続きはテキパキこなすことが求められているようです。