こんにちは。
皆さんがよくご存じの改善基準告示。
ドライバーさんの拘束時間や運転時間について、安全な運行のために定められたきまりです。
一方で、運輸局から「改善基準告示違反」という名前で違反を指摘されることはありません。
一体どういうことなのでしょう?
今回はそんなところに着目してみました。
改善基準告示とは?
改善基準告示は、正式名「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」というきまりで、2001年12月28日に厚生労働省が制定・交付した告示です。
ここで言う実体的なルールというのは、運転者の拘束時間、休息期間、運転時間等の具体的な数字や条件を定めることです。
改善基準告示の目的は?
『その法令等が何のために作られたか』を知りたいときにする正しいアプローチはその法令等の第一条を読むことです。
改善基準告示も例外ではありません。
この基準は、自動車運転者(中略)であって、四輪以上の自動車の運転の業務(中略)の労働時間等の改善のための基準を定めることにより、自動車運転者の労働時間等の労働条件の向上を図ることを目的とする。
つまり、厚生労働省が自動車運転者を保護するために作ったのが改善基準告示です。
勤務時間等基準告示とは?
一方、国土交通省では『改善基準告示に違反すること』を『勤務時間等基準告示に違反した』という風に表現します。
実際、巡回指導や監査で指摘事項(拘束時間が15時間を超えていたり、連続運転時間が4時間を超えていたりして)が記載された書面を見ても、『勤務時間等基準告示違反』と書かれています。
これはいったいどういうことなのでしょうか?
このような役割をする規程というのは少なくなく、ややこしい法令等の世界では割とよくある話なのです。
勤務時間等基準告示の中身は?
勤務時間等基準告示には、旅客バージョンと貨物バージョンがあります。
どちらも明解なブリッジ規程となっています。
国土交通省告示第1675号(平成13年12月3日)
旅客自動車運送事業者が運転者の勤務時間及び乗務時間を定める場合の基準は、運転者の労働時間等の改善が過労運転の防止にも資することに鑑み、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」とする。
✅貨物バージョン
国土交通省告示第1365号(平成13年8月20日)
貨物自動車運送事業者が運転者の勤務時間及び乗務時間を定める場合の基準は、運転者の労働時間等の改善が過労運転の防止にも資することに鑑み、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」とする。なお、運転者が一の運行における最初の勤務を開始してから最後の勤務を終了するまでの時間(ただし、改善基準告示第四条第三項において厚生労働省労働基準局長が定めることとされている自動車運転者がフェリーに乗船する場合における休息期間を除く。)は百四十四時間を超えてはならない。
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改善基準告示を国土交通省が使うために、勤務時間等基準告示を定めたということですね。
勤務時間等基準告示=運転手の労働時間については改善基準告示のルールを適用するね!
ということです。
なぜ改善基準告示ではだめなのか
厚生労働省が作成した改善基準告示は、あくまでも労働法規としての指針であって、この指針を根拠に直接運輸規則や安全規則違反の根拠とすることができません。
そこで、国土交通省は、告示第1365号、1675号を出して、改善基準告示のルールに違反した場合に、勤務時間等基準違反として行政罰を科せられるようにしたわけです。
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改善基準告示は、『労働者の健康・労働条件の保護』を目的とし、
勤務時間等基準告示は、『輸送の安全確保・事故防止』を目的としています。
全く同じ内容なのに所管する役所によってその目的が変わるのが面白いですね。

