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【雑談】中学生と一緒に試験を受ける

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雑談

※実際の会場ではありません。
 
▶昨日、久々に試験を受けてきた。
以前の雑談でも書かせていただいた、『数学検定2級』である。
今回はイレギュラー開催だったようで、申し込みできたのは幸いだった。
 
1月の寒空の中、関越自動車道を利用して、本庄市の試験会場に向かった。
指定された場所は、割とフツーな感じの学習塾。
平屋建てが2棟並ぶ雰囲気は、昔の珠算塾のようだ。
 
▶今回は2級から10級までの試験が一斉に行われた。
受験した教室は、2級から4級まで。
私の受験した2級が高校2年生、準2級が高校1年生、3級が中学3年生、そして4級が中学2年生レベルである。
 
ざっと見渡して15人程度が同じ教室で受験するのだが、そのほとんどが3級ないしは4級を受験する中学生で、2級は私を含めて2名、準2級も2名だった。
(しかも、2級のもう一人は欠席だったので、結局私一人が2級を受けた)
 
▶数学検定、通称『数検』は1次試験と2次試験に分かれていて、1次試験は『計算技能検定』、2次試験は『数理技能検定』と呼ばれている。
なんのこっちゃだが、要するに1次試験は計算力が試され、2次試験は数学的な思考能力が試されるというわけだ。
 
この検定を受ける以上、1次で落っこちるようであれば、受けた級数に間違いがあるということだ。
2級の1次で落っこちるのであれば、準2級、ないしは3級から始めればいい。
つまり、この試験の本番は2次試験ということになる。
 
▶2次試験は、必須問題2問に加えて、選択式5問から3問選択して解答する。
解答は『単に答えがあっていればいい』というものではなく、解答に至るプロセスも記入させられるので、場合によって部分点がもらえる。
まあ、大学入試の2次試験と同じ形式だ。
 
2次試験の合格ラインは60%以上なので、5問解答、3問正解すれば合格することになる。
必須問題のうち、1問はほぼ9割の確率で『積分からの面積計算』がでるので、ここは計算間違いにさえ気をつければ確実にとれる。
必須問題のもう1題はちょっとひねくれた三角関数や変な数列問題がでるが、全く対処できないわけではない。
合格のための戦略としては、必須問題2題を確実に取り、選択問題3題のうち2題完答1題部分点が理想だ。
 
▶2次試験は午後4時半から始まった。
試験時間は90分。
まず、1問目から5問目までをざっと見る。
1問目は2次関数の二つの解がどちらも負であることの条件を出す問題。
2問目はカテゴリー分けがしにくい整数問題。
3問目は直線上を移動する点と2定点をの距離の最小値を求める問題。
4問目は数列のちょっとひねった問題。
5問目は見るのも嫌な、魔法陣系の問題。
 
▶選択問題については、1問目と3問目、4問目でなんとか行けそうな感じがする。
では、必須問題を見てみよう。
最期の7問目は予想どおりの積分からの面積計算。
どれどれ6問目は・・・!!!
 
ここで、一瞬心臓が止まったような気がした。
 
やばい(汗)、円順列だ。
円順列はやらなければならない、と思っていた。
でも、もともと『場合の数』というカテゴリーが好きではないこともあって、後回しにしていた。
 
男子6人、女子3人の計9人が円卓に自由に座る。
この場合の座り方のバリエーション数を求める問題である。
黙って座れ!このバカ者!
・・・と一喝したくなるような問題だ。
こんな知識は若い人が合コンの際に役に立つくらいのものだろう。
 
▶しかも、今回の円順列は、問題としては『ものすごく簡単なもの』だ。
サービス問題といっていい。
しかし、簡単な問題というのは、公式で解けることが多く、つまりは公式を知らないとまったく手が出せない。
まったく手が出ないということは、部分点に期待することもできないわけだ。
 
『まずいな・・・』
必須問題2題完答、選択問題2題完答1題部分点の予定が大きく崩れた。
 
『これは、選択問題で3問完答しないと合格はない・・・』
 
▶まず必須問題の積分からの面積問題を慎重に完答。
次に、1問目の2次関数の問題を、これも慎重に完答。
 
2問目は変な整数問題なので、これは避ける。
3問目は得意の関数なので、さっそく取り掛かる。
1番はすぐに解答できたが、2番でてこずる。
実数解が出るはずなのに、なぜか虚数解がでてくる。
おかしい・・・まずいな・・・
 
10分ほどで、一度この問題を捨てて、4問目の数列にまわる。
数列の問題の良いところは、少し手間をかければ検算ができるところ。
 

【1】【2 3】【4 5 6】【7 8 9 10】【11 12 13 14 15】【16 17 18・・・】
 
❶このような規則で並んだ数列の、n番目の【 】の中の最初の数字をnで表現する。
❷n番目の【 】の中の数字の合計をnで表現する。

 
1番は簡単な階差数列だが、❷はちょっとややこしい。
でも、出来上がった数式に実際の数字をいれて検証できる点で、数列は安心感がある。
この問題も完答。
ここで3問完答なので、ミスがなければ合格ライン。
 
▶私は『ケアレスミス達人』なので、万全を期すべくもう1問の完答を目指す。
未練たらしく、もう一度3問目に戻る。
やっぱり虚数解が出る。
完答しなければ危険なので、この問題は捨てる。
※選択問題は3問しか解答するスペースがない。大学受験にありがちな、食い散らかし戦略は通用しない。
 
こうなると、残る問題は『わけのわからん整数問題』の第2問と、『わけのわからない魔法陣系問題』の第5問のみ。
魔法陣系はホントーに大っ嫌いなので、しかたなく『わけのわからない整数問題』を選択し、この問題と心中する覚悟を決めた。
 

(x-a)×(y-b)=ab
 
❶a=1、b=6のとき、(x、y)の組み合わせをすべて答えよ。
❷aとbがそれぞれ異なる素数の場合、すべての(x、y)の組み合わせを、aとbを使って表しなさい。

 
❶は簡単だ。
❷は?
???
こんなの無限にあるじゃん。(aとbで表現を忘れている・・・)
え?
 
▶数検の『わけのわからない問題』には、大きな特徴がある。
それは、『冷静になれば、めっちゃ簡単な問題』というもの。
逆に言えば、パニックになると、ものすごく難しく感じてしまうようにできているということだ。
 
❷における出題者の意図がわかって、『なんだよ~、簡単じゃん』と気づいたのは、90分の試験終了10分前だった。
『それぞれが異なる素数』
こんな数学独特の言い回しに、おじさんケイレンしちまったぜよ・・・
きつかったぜ・・・
 
▶結論から言うと、4問完答できた。
円順列さえちゃんとやっておけば、と思ったが、『課題をあと回し』にした自分が悪い。
 
久しぶりに脳みそフル回転の140分を過ごすことができた。
風呂が気持ちよかったこと!
風呂上りのビールが美味しかったこと!
その後の日本酒の旨さたるや、なんとなんと!
 
これがあるから、年をとっても『何かへの挑戦』はやめられない。
英検に挑戦することは決まっている。
この後、数検の準1級を目指すかどうかはわからないが、また別の目標を見つけて走ってみようかな。
 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】