都市型ハイヤーの運賃制度って?
都市型ハイヤーは、一般乗用旅客自動車運送事業のカテゴリーに入る事業です。
地元密着型のタクシー、ハイヤーの運賃の世界は、貸切バスや乗合バスに比べて地域色が強く、わかりにくい部分があります。
今回は、都市型ハイヤーの運賃制度について理解を深めましょう。
A運賃?C運賃?自動認可運賃?
こんにちは。
原口です。
片岡さん、今日は都市型ハイヤーについて教えてください。
いいわよ~ん。
もちろん、焼き肉付きよね。
はい、食べ放題のお店でお願いします。
まあ、しかたないわねえ。
で・・・運賃の何が訊きたいの?
まず、教えてもらいたいのは、A運賃とかC運賃とか、この区別がよくわからないんです。
どういうことですか、これは。
自分で選べ・・・ってこと?
—
そもそものお話ですが、事業用自動車の運賃というのは、事業者が自分で設定する(決める)のが大前提です。
しかし、事業者さんがそれぞれ勝手な運賃で運行したとき、いずれ価格競争に発展し、一番大切な安全が損なわれる危険性があることは理解できるはずです。
そこで、運賃は自分で決めることができるけれども、それを適用するには認可が必要という制度が作られました。
✅認可のいらない自動認可運賃
原口さんのセリフにあった『A運賃やC運賃』というのは、各地方運輸局がそれぞれの地域に合わせて設定した自動認可運賃の枠のことです。
自動認可運賃というのは、この枠の中から選んで使うのであれば、自動的に認可される運賃という意味です。
✅枠を選んだらその金額以外で運行してならない
例えば、東京特別区のB運賃は、初乗7,390円(1時間又は15㎞)です。
貴方の会社が『B運賃でやりますよ』という届出を出したら、必ず初乗り運賃は7,390円(大型車の場合)で旅客に請求しなければなりません。
車種によって運賃は変わるの?
なるほど。
AとかBとかCというのは、運賃の枠のことだったんですね。
そゆこと。
お分かりかしら~
さ、焼き肉行きましょうか!
ちょ・・・ちょっと待ってくださいよ。
まだ訊きたいことがあるんです。
なによ!
早くしてくんない??
都市型ハイヤーにも、いろんな車種があるじゃないですか?
大きなミニバンもあれば、普通のセダンだって・・・
み~んな同じ料金ですか?
そんなわけないじゃん・・・
—
東京特別区の場合は、都市型ハイヤーは車格によって3つの種類に分けられます。
▶特定大型車
総排気量3,500cc以上又は乗車定員7名以上の普通自動車
▶大型車
総排気量2,000cc以上かつ乗車定員6名以下の普通自動車
▶中型車
特定大型、大型以外で長さ4.6m以上の小型自動車
✅運賃は区分によって変わる
東京特別区の場合は、特定大型は大型車の2割増し、中型車は大型車の1割引きと規定されています。
時間制運賃と距離制運賃の違いは?
だいぶ理解が進んできました。
もう疲れたわ・・・
焼肉行きましょ。
すいません・・・もう一つだけ。
時間制運賃と距離制運賃の違いを教えてください。
え?
まだ?
しつこい子は嫌いよ!
—
東京特別区の運賃料金適用方によると、時間制運賃は後払い、距離制運賃は降車時払いと決められています。
時間制運賃に加えて、距離制運賃も利用する場合には、最終的な運賃は時間又は走行距離によって算出された運賃のいずれか高い方を請求することになっています。
✅メーターはマスト?
時間制運賃だけを適用する場合は、運賃メーターをつける必要はありません。
—
タクシーやハイヤーの運賃とルールは、地域によって大きな差があるのよ。
新規に申請するときは、申請中に運賃・料金の認可申請もした方が時間が無駄にならなくていいのよ。
行政書士さんによ~く相談してね。


