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【雑談】独立記念日は7月8日

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行政書士法人ココカラザウルス

今日は私にとって記念すべき日である。

退職記念日

大したことではない。
4年前の今日、22年間勤めた会社を辞める決心をして、それを経営者に伝えた日である。
それが7月8日。
大したことではないが、しかし人生として大きな転機を迎えた日である。

4トンドライバー募集 月給28万円 残業なし
アルバイトニュースに記載されていた募集記事に応募したのが28歳の冬。
今思えば、背負うものは嫁一人で子供はおらず、まあまあ気楽な運転手稼業であった。

33歳で営業を始め、35歳で取締役になった。
現場にも営業にも大きな興味を持たない経営者に信頼され、業務と営業の全体を任された。
そんな境遇の男に、社内で気を使わなければならない相手などいるわけもなく、ほぼ王様状態の会社員生活を20年以上。
お客さまにも恵まれて、打つ手打つ手がすべて勝ち手につながる感覚の続いた、文字通り順風満帆の人生だった。

他人の会社で、現場を全部任されて、なんとなく自分が経営者になったような気になって、いい気になっていたものの・・・ちょっとこれはやべぇんじゃねぇか?
と思い出したのが40代後半。

確かに、商品の買い付けから得意先とのお付き合い、トラックの運転から現場オペレーション。
財務管理に加え、システムの開発。
経営者を含め3人からリスタートし、結果として10倍以上の規模になった会社の成長に20年以上関わってきたのだから、様々な場面を経験し、相応のスキルを身につけてきた、と思う。

しかし、そのすべてが中途半端であることは否定できず、また、一つのことだけを数十年というような価値ある人生ではない。
つまり、このまま50代に突入したら、ただただ調子がいいだけの小汚いおっさんが一人出来上がるだけじゃねぇのか?という不安に襲われた。
資格を取って独立しよう、と考えたのがこのころ。

47歳で行政書士をとった後、司法書士の勉強を2年続け、初めて受験したのが4年前の昨日、7月7日。
一発合格を信じて疑わず、翌年の3月を独立の目安と考えていたのだが、結果はと言うと・・・
午前は手ごたえがあったものの、午後は惨敗。
なまじ自信があっただけに午後の体たらくはホントーにこたえた・・・
駅に向かう道すがら、失意を胸に自分の靴をボ~っと眺めながら、全身のチカラが抜けていくような、もっと言えば力の入れ方を忘れたような、そんな感覚になったことをよく覚えている。

若き後継者に罵詈雑言を浴びせ、その結果、22年間連れ添った経営者に疎まれ、加えてそれまでの王様生活の報いで従業員の誰一人味方にならず、なんとなく四面楚歌を全身の皮膚で感じていた私にとって、この試験の失敗は今まで背負ってきたもの(気がしていただけかもしれないが)を投げる捨てるに十分なきっかけを与えてくれた。

あれから4年かぁ・・・
辞めた直後は後悔した。
この後悔は、辞めたことへの後悔ではなく、50歳になるまで雇われ人でいたことへの後悔だった。
こんなに気楽で、こんなに充実するのなら、もっと早く辞めればよかった・・・と後悔したのだ。

初めての独立をこんな気分でスタートできたのは、ひとえに会社員時代にお付き合いのあったお客さまの助けがあったからだ。
例えば、この独立が学生時代を過ごした大阪でスタートしていたら、それこそ露頭に迷うようなことになっていたに違いない。

あれから4年経った今。
自分を頼ってくれるお客様がいて、仕事はとても楽しい。
会社員時代にあんなに無理ばかり言って困らせた元の部下は今は仲間になって、一緒に仕事をするようになった。

50回目の7月8日に下した決断と、その後を支えてくれた周囲の協力。
来年の7月8日はどんな気持ちで迎えているのだろう?
どんな境遇で、何をしているかわからないが、家族を含めた周囲への感謝を忘れずに歩いて行こうと思う。