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白バス行為についてわかりやすく説明します

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許可・法令について

白バス行為の何が問題なのか

『誰かに頼まれて、バスを用意して乗客を運び、お金をいただく』には許可が必要です。
50人以上の命を乗せたバスが、整備不良であったり、運転手が中型免許取り立ての19歳だったりしたら、誰も安心してバスを利用することができないからです。

道路運送法に規定がある
そのために、道路運送法という法律では、許可を受けた車両に緑色のナンバーをつけて、白いナンバーとは区別をして、許可を持っているバス事業者が一目でわかるようにしているわけです。

この法律で「旅客自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送する事業であつて、次条に掲げるものをいう。(以下、省略)

バス事業者は、許可を受けることと引き換えに、厳しい法令の基準を粛々と守り、安全を第一にバスを運行しているのです。
何の責任も義務も負わない白バスが、バス事業者の利益を犯すようなことがあっては、断じてなりません。

旅客を運送する事業の要件

この法律で「旅客自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送する事業であつて、次条に掲げるものをいう。


この文言の中の、『自動車を使用して旅客を運送する事業』だけに着目してみましょう。

運送サービス提供の要件とは?
『自動車を使用して旅客を運送する』というサービスを提供するためには、最低限何が必要でしょうか?

① バス
② それを運転する人

『10人の人を運んでください。』という依頼に対して、運転手が一人でトコトコ現地に向かっても、バスがなければ何の役にも立ちません。
一方、バスが現地に届いても、運転する人がいないのであれば、これまた依頼に応えることができません。

つまり、『自動車を使用して旅客を運送する』というサービスを提供するためには、バスと運転手の両方をサービスの提供者が揃える必要があるということです。

ひとつの結論がすでにでてしまうのですが、バスの提供者と運転手(運転業務)の提供者が別の場合、基本的に白バス行為は成立しない、ことになります。

具体例で考えましょう

学校の生徒の部活動で、バスの運行が予定されたとします。
この場合の、バスと運転手の手配のパターンを、具体例で考えてみましょう。

登場するのは、まず生徒を運んで欲しいと願う学校です。
そして、もう一つの登場(法人)は、この学校に給食を作って届けている給食センター(会社)です。
普段、この給食センターでは、『センター内で働くパートさんたちを駅からセンターに送迎するために自社のマイクロバスを運行している』、という設定です。

先日発生した磐越自動車道の事故について、問題をややこしくしているのは、学校に対する相手がバス会社であることです。
白バス問題を考える上で、学校以外の登場人物はバス会社であろうと、酒屋であろうと、ゴルフ場であろうと、問題の本質は変わらないのですが、相手がバス会社であったばかりに、余計なバイアスがかかり話が複雑になってしまっているのです。

4つのパターン

ここから、それぞれのパターンについて、検証を始めます。
バスと運転手を手配する役目を、学校と給食センターにそれぞれ割り振ると、以下の4つのパターンに分けられます。

これら4つのパターンについて、一つ一つ、その違法性等について考えてみましょう。

パターンA:バス、運転手のどちらも学校が手配する

とても簡単な組みあわせです。
運行を必要とする学校が、自分でバスを用意して、自分の学校の職員に運転させるということです。

他人の需要ではなく、自分の需要であり、バスも運転手も自前ですから許可の問題にはなりません。
これがダメだとなると、酒屋さんがビールを買ってくださったお客様に商品を届けるにも、貨物運送業の許可を取らなければならなくなります。

Aパターンが違反となるケース
1.バスを利用した生徒の父兄から、実費以上の過大な費用を受け取った場合は、白バス行為と疑われる可能性があります。

2.この学校が、別の学校の要請に応える形で、自分の学校のバスと教員(運転手)を出して、対価を受け取った場合は、立派な白バス行為になります。

パターンB:バスは学校が手配して、運転手は給食センターが手配する

バスを学校が手配したものの、運転できる教員がいないので、馴染みの給食センターの社長に頼んで、普段マイクロバスを運転している社員さんを運転手として貸してもらったケースです。
実は、この事例は世の中でとても数多く採用されている方式で、特に霞が関あたりの官庁ではあたり前のように使われています。
『車両運行管理業』で検索すると、いろいろな事業者が出てきます。

いわゆる運転業務委託契約
官公庁の偉い方を乗せる車は、当該官公庁が自家用として用意します。
しかし、ドライバーの雇用や管理までやるのは大変なので、運転の部分のみ、民間の業者に委託するわけです。

自分の需要のために自分の車両を使い、運転だけを他の人(会社)に任せるというやり方なので、白バス行為となる要素がありません。
運転手にお金が支払われていることを問題視する弁護士さんもいらっしゃいますが、てんで的外れです。
道路運送法が禁じているのは、許可を持たないものが、他人の要請に応じて、お金をもらって、バスを運行することです。
バスを運転することでお金をもらうことに違法性があるわけではありません。

パターンC:バスは給食センターが手配して、運転手は学校が手配する

学校は、給食センターから、自家用のマイクロバスを借ります。
そして、そのバスを学校の教員が運転する、という形です。

いずれにしても白バス行為にはならない
✅バスを無料で借りた場合

給食センターの社長が、『いつもお世話になっているから・・・』という理由で、1日だけマイクロバスを無料で貸してくれた場合です。
この場合は、無料で借りたバスに生徒を乗せて、教員が運転して運行するわけですから、何の問題もありません。

✅バスを借りて謝礼を支払った場合 

車両を貸し出して対価を得るためには、レンタカー業の許可が必要です。
1回くらい問題にはならないでしょうが、違法と言えば、違法です。

但し、このパターンは、『学校が給食センターからバスを借りるという形で、学校がバスを手配した』と考えることもできるので、実質的には、パターンAと同じと考えていいかもしれません。

しかし、いずれにしても、白バス行為の論点ではありません。

パターンD:バスも運転手も給食センターが手配した場合

仮に、白バス行為になる可能性があるとしたら、このパターンのみです。
もっとも、この場合であっても、給食センターが営業戦略的配慮から、無償で行為を行った場合は、白バス行為であったと認定するのは、かなり難しいと思われます。

もしも、給食センターが学校から実費以上のお金を受け取っていたとしたら、かなり高い確率で白バスの違反行為と摘発されることになるでしょう。

バスがレンタカーだった場合

今回発生した磐越自動車道の事故が、正にこのケースでした。
しかし、手配された車両がレンタカーであっても、レンタカーを手配した側がバスを手配したと考えることで、基本的な考え方は同じです。

異質なのはパターンCのみ
A~Dのすべてのパターンで、それぞれバスがレンタカーになっても、全く同じ考え方ができます。
レンタカーを契約した人=手配した人と考えればいいのです。

パターンCだけが少し異質です。
レンタカーを借りたのは給食センターで、その車両を学校に又貸しする形になるからです。
しかし、いずれにしても、白バス行為に関する問題にはなりません。

今回の事故の場合は?

今回の事故の場合を考えてみます。

まず、運転手を手配したのは、バス会社のようです。
問題は、レンタカーのバスをどちらが手配したかですが、こちらは双方の意見が割れているようです。


レンタカーの契約を主導したのは?
今回の事故を上記4つのパターンに当てはめてみると、BかDにあたることになります。

レンタカーを手配したのが、学校ならパターンB。
バス会社が手配したのであれば、パターンDです。

パターンDの場合、バスも運転手もバス会社が手配していますので、『有償で』の部分が条件を満たせば、白バス行為とみなされる可能性があります。

問題はパターンBです。
レンタカーの契約者が学校であった場合で、本来であれば白バス行為の論点にはならないはずですが・・・
この場合でも、本当はレンタカーの契約を主導したのがバス会社だったのにも関わらず、(白バス行為の成立要件を誤魔化すために)学校がレンタカーを手配したような形を作り出していたとしたら、レンタカーの契約者の如何にかかわらず、白バス行為と判断される可能性が残ります。

本当の問題は白バスかどうかではない!

今回、磐越自動車で発生した事故の問題の本質は、当該運行が白バス行為であったかどうかではありません。
むしろ、30名近い人の命を乗せて走る大きな車を、レンタカーで貸し出すことに許可を与えている『行政の判断の問題』です。

マイクロバスは小さいバスではありません!
マイクロバスの運転を舐めてかかってはいけません。
『マイクロ』なんて名前がついていますが、幅は2メートルを超え、長さは7メートルに達します。
※あの大きなアルファードでも約5メートルです。
そして、何より、30名近い人を乗せることができる、とても危険な乗り物なのです。

こんな危険な乗り物を、中型免許をとっただけの素人に、免許証1枚のコピーだけで貸し出すことが問題なのです。
私は、運送事業に関わる行政書士として、2ナンバーの車両については、レンタカーでの取り扱いができなくなるようにすべきだと考えます。

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