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事業再構築のイメージは5パターン
事業再構築のパターンは、『新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編』の5種類に分かれます。
支援を利用する事業者は、この5種類のパターンのいずれかを選択して申請することになります。
パターンの違いは産業分類の違い
上記の5パターンの違いは、単に産業分類の問題だと理解してください。
こちらから日本標準産業分類をご覧ください。
✔主たる業種
自社の一番売上が多い事業について、大分類を探してください。
観光バス事業であれば、大分類は『H 運輸業,郵便業』となります。
✔主たる事業
自社の一番売上が多い事業について、中分類、小分類又は細分類を探してください。
観光バス事業であれば、中分類は『43道路旅客運送業、小分類433』となります。
この分類がどのように変化するかによって、5つのパターンに分けられるのです。
5パターンの見分け方
自分が考えている事業再構築が、どのパターンに属するかは、以下のような理屈で考えてください。
1.新分野展開
主たる業種も主たる事業も変わらないこと
新たな製品やサービスで、新たな市場に進出する。
※ホテルの一部を改装、新たにテレワーク用レンタルオフィスを開設するイメージ
2.事業転換
主たる業種を変えずに主たる事業を変更すること
※日本食料理店が焼き肉屋に変わるようなイメージ(細分類が変わる)
3.業種転換
主たる業種を変更すること
※工場を閉鎖して、跡地にデータセンターを開設するイメージ
4.業態転換
主たる業種も主たる事業も変わらないこと
製品の製造方法や、サービスの提供方法を転換する。
※リアルで行っていた絵画教室をオンライン授業に変更するイメージ
5.事業再編
事業の再編を通じて、新分野展開、事業・業種・業態の転換を図る。
※事業の再編は、会社分割や合併など、会社法上の再編のこと
制度全体に通じる基本は同じ
多くの事業者さんがチャレンジする申請パターンは、新分野展開、事業転換、業態転換のいずれかになると思います。
業種転換は、そもそもそれなりに資金がある、土地などの資産がある場合でないと難しいので、コロナ禍の状況で申請されるケースは少ないように思われます。
今回は今回の制度全体に通じる基本的考え方の説明をいたします。
実は、基本的な考え方は、5パターンともあまり変わりません。
製品等の新規性の要件
まず最初に製品等の新規性の要件が必要です。
簡単に言うと、過去に提供したことがないサービスや製品が対象となっていればOKです。
現在、すでに提供しているサービスや製品では認められません。
★製造等に用いる主要な設備を変更すること
新しい事業を始めるために、今までの設備を変更する必要があることが条件です。
※投資のすべてが補助の対象となるかどうかは別の話です。
★競合他社の多くが既に製造等している製品等ではないこと
ホテルがレンタルオフィスをやる場合、周辺のホテルの軒並み同じような事業に乗り出しているような状況でなければ大丈夫です。
★定量的に性能又は効能が異なること
既存事業と新規事業の内容が、簡単に比較できないことが証明できればOKです。
市場の新規性要件
次に市場の新規性要件を検討します。
既存のサービスや製品と、新たに始めるサービスや製品がシーソーの両端のような関係ではいけません。
新規事業が好調になったことで、今までの既存事業が低迷するような関係になければ大丈夫です。
★既存製品等と新製品等の顧客層が異なること
新規事業と既存事業が似通っているばあい、顧客層が重なる可能性があります。
そういった場合には、新規事業による事業再構築の効果が薄くなるため、顧客層が違うことを説明する必要があります。
売上高の要件
事業再構築補助金には5つのパターンがありました。
いずれのパターンにしても、『証明すべき内容の基本は同じですよ』ということをここまで説明してきました。
しかし、ここで最後に説明する売上高の要件については、それぞれのパターンで少し違いがあります。
★新分野展開について
計画期間中に、新規事業の売上が総売り上げの10%以上になることが必要です。
★事業転換について
計画期間中に、新規事業が全体で最も高い売上構成になる必要があります。
★業種転換について
計画期間中に、新規事業が全体で最も高い売上構成になる必要があります。
★業態転換について
計画期間中に、新規事業の売上が総売り上げの10%以上になることが必要です。
※いずれも計画になることが必要
駆け足で説明いたしましたが、いかがでしょうか?
もしも興味がおありでしたら、当社までご連絡ください。
当社(株式会社付加価値ファクトリー)は認定支援機関です。