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【緊急提言】緑ナンバー事業者は安全管理規程の見直しをすぐにやりましょう

2022年04月29日13時03分

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

事故は起こるものだと考えること

2012年4月29日、高速ツアーバスが関越道で多くの死傷者を出す大事故を起こしました。
あの大きな事故から10年が経過したわけですが、事故の教訓は適切に生かされず、今度は北海道の海で痛ましい事故が発生してしまいました。

今回の事故報道を見ていて思うのは、『なぜこんなにもトンチンカンな質問と報道が続くのだろう?』というところです。
 
バスであれ、船であれ、事故を完全に防止することは不可能です。
もちろん、事故防止のために実行可能なことはすべてやる。
その基本姿勢を忘れてはいけませんが、一方で『事故は起こるもの』という考え方は絶対に必要です。
 
ですから、今回の遊覧船事故において何よりも先に究明されるべきは、『遭難してしまった船から、なぜ乗客を救助することができなかったのか』という点であって、『なぜ悪天候を押して出港してしまったか』ではないはずです。

 
『なぜ悪天候を押して出港してしまったのか?』
社長がそういう判断をしたということは、『安全よりも利益を優先した』という結果です。
この人はすでに公判のことを考えているらしく、本当のことは一切言わない姿勢になっていますが、上記以外の理由で運行を無理強い(したかどうかもわかっていないが)する理由がありません。
こんなくだらない質問で貴重な時間を浪費してはいけません。

陸上交通ではやはり予防が第一

『事故は起こるもの』とはいえ、やはり予防が一番大切であることは自明です。
海上と違い陸上の場合、事故が発生した後に乗客のためにできることは限られていますので、予防に力を注ぐことが大切になります。

【事故防止】運送事業者がすぐに始めるべき対策①

バスやトラック、タクシーなどの運送事業者が事故防止のためにすべき対策にはいろいろな種類がありますが、その中でも次の2つは今すぐにすべきものです。

1.乗務員の疾病対策
運送事業者が最も恐れる事故原因に、乗務員の急病(乗務中)があります。
職業ドライバーの高齢化が予想以上に進んでいることもあり、管理する行政の危機感も大きくなっています。
 
この問題に対応するため、事業用自動車の乗務員には、1年に1回以上の健康診断が義務付けられていますが、事故予防の対策として、これは甘すぎます。
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大事故につながるような乗務員の状態を考えてみましょう。
①意識喪失
②急死

人間はいろいろな病気になりますが、こと『結果として大事故』につながるような状態は、上の①か②しかありません。
めまいが起きたり、急に足が痛くなったとしても、なんとか安全に車両を停止させることはできるでしょう。
しかし、意識を喪失したり、急に心臓が停止したら、車両はコントロールを失い、結果大事故が発生することになります。
 
つまり、『てんかん』など、特別な病気を持つ乗務員以外で、私たちが今すぐ注意すべきは、乗務員の脳と心臓の状態であって、その他の部分はある程度中長期的なケアを考えていけばいいということになります。

 

貸切バス事業者安全性評価認定制度(以下、セーフティ)において、5-④の加点で『脳ドック』や『携帯型心電計』などの加点オプションがありますが、運行管理体制の審査に比して、基準が低すぎる感があります。
 
本当に安全なバス会社に認定を与える目的であれば、乗務員全員の心臓ドックと脳ドック受診を三ツ星の必要条件にするくらいの英断をしてくれればと思います。
三ツ星にはそれくらいのプレミア感があってもいいのでは?と思いますね。
 
行政が監査基準を高くして締め付けるよりも、こちらの方が絶対に効果があると思いますが・・・
日本バス協会さん、いかがでしょう?

 

【事故防止】運送事業者がすぐに始めるべき対策②

乗務員の急病(意識喪失・急死)の次に対策を急ぐべきは、車両の致命的な故障防止です。

2.車両の致命的故障の防止
〇車両火災
車両の故障で一番恐れる必要があるのは、車両火災に至る故障です。
陸上交通は海上交通と違い、車両が停止してしまえば、その後乗客を保護することに大きな障害はありません。
しかし、車両火災が走行中に発生した場合は、まず車両を安全に停止するという困難があり、さらに停車後の乗客避難という大きな課題が残ります。
 
幸いなことに、車両の火災は適切な整備によってほぼ確実に防止できるということなので、この時期に再度整備を徹底して欲しいと思います。
 
バス火災事故防止のための点検整備のポイント(国交省)
 
※この冊子を読みましたが、あまり車両の整備に詳しくない私でもわかりやすい内容でした。

 

いますぐに安全管理規程を見直しましょう

今回の海難事故について、当該遊覧船運行会社の安全管理規程に関する報道が増えています。
トラックやバスにおける安全管理規程のお粗末な取り扱いに慣れている私からみたら、『今更なにを言っているだろう?』という印象です。

貸切バスの場合、運行管理規程は許可を取得後、安全統括管理責任者(アントーカン)の選任と同時に管轄の運輸局に届出し、押印をもらいます。
しかし、その内容ときたら・・・
 
今までちゃんとサポートしてこなかった自分を棚に上げて言わせていただきますが、私の知っている限り、自社の実情に合わせてキチンと作成された安全管理規程を使用している事業者さんなど、ほぼほぼ皆無です。
多くは、各運輸局のホームページからダウンロードできる『吊るし規程』に自社の名前を入れて、そのまま提出するだけです。

 
とりあえず、自社の安全管理規程を再度読み直してみましょう。
支店長なんかいないのに、支店長に関する規定が入っていませんか?
内部監査なんてやったことないのに、やる前提になっていませんか?
 

実は、今回初めて『船関係の安全管理規程』を読んでみました。
※海育ちのクセに船酔いするので、船は嫌い。
 
バスやトラックの安全管理規程より、もう少し運行管理規程に振れたような内容です。
しかし、こちらも古典的文書の印象は変わらず、この規程の内容うんぬんで事故が防げるとは思えません。
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第38条 安全統括管理者等は、アルコール検知器を用いたアルコール検査体制を構築しなければならない。
2 乗組員は、飲酒等の後、正常な当直業務ができるようになるまでの間及びいかなる場合も呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上である間、当直を実施してはならない。
3 船長は、乗組員が飲酒等の後、正常な当直業務ができるようになるまでの間及びいかなる場合も呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上である間、当直を実施させてはならない。
(小型船舶用 安全管理規程例)

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いつの時代のものでしょうか?
すごい規程ですね。

 
近日中に、貸切バス事業者が使える安全管理規程のモデルを作って公開します。
何はさておき、この連休中に自社の安全管理規程を読み直してみることをお勧めします。
 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】

 

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