貸切バス専門特定行政書士・一般貸切旅客・一般貨物運送・貸切バス更新・運輸安全マネジメント・BCP
通話
無料
0120-359-555
受付時間 朝9:00~夜7:00
土・日・祝日でもご相談ください
ご相談
ご注文
フォーム

【貸切バス】どんな会社が原価計算に強いのか?

2021年12月12日13時52分

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

仕事の取り合いが激しくなっている

当社には100社以上の顧問先バス会社があります。
コロナが少し落ち着いたこの冬、いろいろなところから、『仕事の取り合い』と言っていいような、価格競争の情報が入ってきています。

どんなに価格競争で仕事を取ろうと思っても、公示運賃を適用している場合は、各社あまり差が出ないのが普通です。
なぜなら、下限運賃で見積りをした場合、同じ運輸局の管内であれば単価としての運賃は変わりません。
では、どこが競争力(差)となるかというと、回送距離だけです。
 
消費者保護、自由競争の観点からは???な感じがしますが、違法なことをしないことを前提とすると、仕事の欲しいバス会社に(価格的な部分で)できることはほとんどないと言っていいと思います。

 

独自運賃を設定する

公示運賃の下限で計算する限りにおいて、お客さまにご提示できる運賃見積額にはほとんど差がありません。
すると、競争力を高めるためにバス会社が次に考えることは、公示運賃より低額な独自運賃を設定することです。
 
※中小企業診断士的な意見ですが、本来、競争力というのは『価格以外の部分での差別化』を言います。ホントはね。

運賃の設定は認可ではなく、届出です。
ただ、届ければなんでも認められるかと言えばそんな甘いものではなく、公示運賃の範囲に収まらないような届出運賃の場合、すぐに審査の対象となります。

 

一般貸切旅客自動車運送事業の運賃・料金の届出及び変更命令の処理要領について
※自旅第129号平成11年12月13日(令和1年7月9日改正)
 
3.変更命令を行うか否かについての審査要領
(1) 運賃・料金の上限及び下限額が、前記2.の(1)①及び②にて地方運輸局長が定める範囲以外のものである場合は、道路運送法(以下「法」という。)第9条の2第2項において準用する法第9条第6項各号に該当するか否かの審査を行うこととし、法第94条第1項の規定に基づき、原価計算書その他運賃・料金の算出の基礎が記載された書類の提出を求めることとする。(略)

 

独自運賃の設定基準

届出であるはずの運賃について、公示運賃の範囲から外れていると審査を受ける理由については、道路交通法第9条に記載されています。

もの凄く漠然としていますが、以下のような決まりに従って審査されます。
 
一 社会的経済的事情に照らして著しく不適切であり、旅客の利益を阻害するおそれがあるものであるとき。
二 特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。
三 他の旅客自動車運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき。

 
1番と3番が大切な要素です。
特に旅客の利益を阻害する、不当な競争を引き起こす、という点です。
つまり、事故を起こすかもしれない経営につながるような運賃単価の改定は認めない、ということです。

 

原価計算のキモは余裕があるかどうか

原価計算で注意するところはたくさんあります。
ここで簡単に書ける内容ではありませんが、基本的かつ重要な部分を少しだけ書いておきます。

まず、直近の損益計算書をご覧ください。
決算書なんか見るのも嫌だ?
それなら事業概況報告書でもいいです。
 
売上高の下に売上原価(言い方はいろいろありますが)があると思います。
その下に売上総利益。
 
そのまた下に、販売費及び一般管理費、つまり販管費があります。
その下が営業利益。
 
原価計算において第一に重視されるのは、売上原価の部分です。
売上原価には、『乗務員の給料』『燃料費』『バスの減価償却(リース)費』『バスの修繕費』『高速道路通行料金』など、バス会社にとって『ケチるとすぐに安全に影響がでるコスト』が多く含まれています。
 
一方、販管費の中には、社長さんや奥さんの給料や営業所の家賃、お客様への接待費など、『ケチってもすぐには安全に影響しないコスト』が多く含まれます。
 
運賃単価を下げても経営に影響が出ないかどうか、と判断する材料がここにあります。
費用の中で、販管費のように『安全な運行』に即影響の出ないコストの占める割合が高い会社は、比較的余裕があると判断されるので、運賃単価の変更が認められやすくなります。
逆に、売上原価が大きな割合を占める会社は、単価の変更が『安全な運行』に強く関わると考えられやすくなります。

 

費用構造が問題になる

同じ売上で、同じ利益を得ている二つのバス会社があるとします。
同じような財務環境に見える2社ですが、費用構造は大きく違います。
費用全体の中で、Aバス会社は売上原価と販管費の占める割合が3:7、Bバス会社は6:4です。

Aバス会社もBバス会社も、同じように運賃単価を1割カットするとします。
どちらも売上が1割減少しますから、費用(コスト)のどこかを削減しないと、たちまち赤字になってしまいます。
 
Aバス会社は『販管費』の占める割合が高いですから、ここから売上減少分のコストをカットすることができます。
例えば、役員報酬を3割カットする、営業車両の買い替えを控える、などが考えられます。
販管費は『安全な運行』にすぐ影響の出ないコストですから、運賃単価の1割カットが『安全な運行』に影響する可能性は小さいと考えられます。
 
一方で、Bバス会社はもともと『販管費』の占める割合が低くくなっています。
ここから読み取れるのは、Bバス会社はすでにそれなりのコストカットを行っている=余裕がない会社である可能性が高いということです。
 
Bバス会社が減少した1割の売上の穴埋めをするためには、削減する余地が少ない販管費ではなく、売上原価の部分に手を付けざるを得ません。
例えば、高速道路の使用を控えるように指示する、乗務員の手当を一律カットするなどです。
その影響はすぐに『安全な運行』に跳ね返ってくると考えられます。

 

財務を正常な状態にすること

社長がちゃんと報酬をとり、接待交際費も適切に計上し、経理用のPCもちゃんと入れ替えている。
⇒つまり販管費が正しく計上されていても、ちゃんと利益が出ている。

このような会社は、経営的に余裕がある印象と判断されやすくなります。
原価計算における審査は、この余裕を見るための審査と考えていいのです。
 
社長が無給で一生懸命働き、奥さんが薄給で事務のすべてをこなすような(先のBバス会社のような)会社は、同じ利益率であれば『財務諸表上』では余裕のない会社、と判断されます。

 
要するに、必要な経費が問題なく支出できるような経営をし、その結果を正しく財務諸表に反映している会社が、原価計算上でも強い会社ということが言えます。
 

もちろん、原価計算にはこれ以外に考慮すべき要素がいろいろあります。
当社のサポート先であれば、原価計算書の作成アドバイスを無料でお引き受けしております。
健全な経営手段の相談も含め、どうぞお気軽にご相談ください。

 

ご注意ください。
 
フリーダイヤル利用の一般の方から、原価計算など業務に関するご質問をいただくことがありますが、当社では教材をご利用いただいていないお客様からの『業務に関するご質問』には一切お答えしておりません。
どうぞよろしくお願いします。

 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】

 

検索

このサイト内には仕事に役立つ大事な情報がたくさん含まれています。
このボックスにキーワードを入れて最新記事を検索してください。
(例:ドライブレコーダー、監査、更新 など)

ご相談にはフリーダイヤルをご活用ください。
0120-359-555

ご相談内容について

  • 行政書士業務について
  • 診断士業務について
  • 教材について
  • サポート契約について
ご注意ください
サポート先様以外からの『実務に関するご質問』にはお答えしておりません。
例:年間契約の計算方法、手数料の考え方など

どうぞご了承ください。