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【旅客】バスにとってのウィズコロナを考える

2020年6月8日05時16分

この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

これからしばらくはwithコロナの時代

緊急事態宣言解除から約2週間が経ちました。
街にも活気が出てきて、いつもの日常が戻ってきたような気持ちになります。

しかし、新型コロナウイルスとの闘いは終結したわけではありません。
むしろ、これからのステージの方が今までよりも長い時間を必要とします。
 
私たちは感染拡大の第一波を終えて、これからアフターコロナに至るまでの経過期間、いわゆる『ウィズコロナ』のステージに入りました。
具体的には、観光やレジャーも継続しつつ、緩やかに新型コロナウイルスの感染と共存していく段階です。

 

エビデンスの強い情報だけを根拠に対策することが大事

新型コロナウイルスについては、これまで様々な報道がされており、その中には正しいものもあれば、明らかに間違っているものもあります。
大切なことは、科学的なエビデンス(証拠)がより強い傾向の情報を選択することにあります。
 
『確定している情報』ではなく、『より強い情報』という表現にした理由は、新型コロナウイルスについて科学的なエビデンスが確定している事実は少なく、『確定している情報』だけでは有効な対策がとれないので、せめて『より強いエビデンスを持つ情報』を選択するようにしましょう、ということです。

★新型コロナについてエビデンスが強いと考えられる情報
※令和2年6月7日現在
 
【感染の傾向や症状について】
✔潜伏期間は1日から17日(平均5日~6日)
✔感染しても30%~50%では症状が出ない
✔発症しても、咳や発熱などの軽症である。
✔高齢者と基礎疾患のある人が重症化しやすい
 
【感染経路】
✔咳やくしゃみなどの飛沫、及びドアノブなどを介して感染する。
 
明確なことは、たったこれだけです。
この点については、京都大学の山中教授のサイトが分かりやすく、参考にさせていただきました。
 
Click!⇒山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

 

バスの中での感染対策を考える

バス業界は、これから徐々に感染対策をとって、お客様を観光地に連れていくことを考えなくてはいけません。
お客様ひとりひとりが、『自分なりの新型コロナウイルスに対する知識』を持つ中、私たちは、お客様以上に正しい知識を持ち、新型コロナウイルスを『正しく恐れ』『正しく対策する』姿勢が大事になってきます。

この後は、バスの中での感染対策について、テーマを絞って考えます。
テーマを3つに絞りましょう。
 
①バスの中でもマスクは必要か?
②エアロゾル感染(空気感染)への対策は必要か?
③バスの消毒はどこまでやる?

 

バスの中でもマスクは必要か?

これは、私の意見ですが、『対策さえとっていれば必要ない』、と考えています。
但し、バス車内でマスクを外すには、それなりの条件が必要です。

まず、マスクをすることの意味について考えておきましょう。
この点をしっかり理解しておかないと、感染を予防することが目的で、その手段としてマスクをするのが正解であるのに、マスクをするという行為そのものが目的になってしまうからです。
 
寒い季節はそれでもかまいませんが、これから亜熱帯気候となる日本では、その考え方はとても危険です。
これからの季節、バスの車内で高齢者が熱中症で倒れても、新型コロナによるものと区別がつきません。
この身近に起こりうる事態を正しく恐れることは、とても大事なことです。
 
Click!⇒自治医科大学付属さいたま医療センター
 
Click!⇒SARAYA 家庭の感染と予防
 
それぞれ、マスクの効用について分かりやすく書かれています。

 

★マスクをすることの意味について考える
 
☒マスクの意味①感染者が他人に感染させないため
現在のところ、新型コロナウイルスが空気感染するというエビデンスはありません。
※しないというエビデンスもない。
 
しかし、空気感染を想定にいれると、社会には長期間のロックダウン以外の何の選択肢もなくなってしまいますから、空気感染の可能性は除外して考えます。
※もっとも、空気感染するのであれば、もはやマスクさえ意味がありません。
 
そう考えると、感染者が他人に感染させないためにマスクをする必要性は、次の二つの場合に限られます。
✔明らかに咳やくしゃみの症状がある
✔区切りのない場所で、他人との距離が2メートルとれない
 
つまり、この二つの条件がクリアできるのであれば、マスクを外して呼吸をしても大丈夫だということです。
 
☒マスクの意味②他人から感染しないようにするため
この点について、医療機関や医薬品メーカーなどの記事を読むと、予防的にマスクをすることが効果的である場合が、以下のように書かれています。
✔病人のそばで看護する場合(直接飛沫を浴びる可能性がある場合)
✔満員電車など、不特定多数の人と密着せざるを得ない環境の場合

 

上記によって、バスの車内で乗客にマスク着用を求める必要があるのは、以下の場合であることがわかりました。
 
✔咳やくしゃみなどの症状が顕著な方
✔他人同士が、区画なしに2メートル以上の間隔をとれない場合
 
日ごろから一緒に生活している家族の場合は、今更バスの中で距離をあけても仕方ありません。
他人同士の距離、いわゆるソーシャルディスタンスについては、バス会社側の工夫で解決できると考えます。
 
※営業的には厳しいでしょうが、乗客の数を半分にする、客席の前後すべてにビニールシートで仕切りを設けるなどすれば、十分に対応できます。

 

エアロゾル感染(空気感染)への対策は必要か?

先ほどもお話ししましたとおり、新型コロナウイルスが空気感染するかどうかはわかっていません。
私個人は、全く気にしていませんが、お客様の中には気にされる方がいるかもしれません。
※むしろ、いて当然だと思います。

この点については、除菌と換気という2方向で考える必要があります。
 
☒バス車内の空気を積極的に除菌する
結論から申し上げますと、大変危険な発想です。
当社のサポート先の皆さまには、エビデンスも明確にして注意メールをお送りしましたが、車内の空気感染防止のために空気を除菌するという考え方は大変危険です。
 
なぜなら、除菌するための薬剤・気体などが人体に影響を与えない、という確証がないからです。
乗客がコロナに感染することは、ある意味自己責任ですが、除菌というバス会社の積極的な行為によって乗客に健康被害が生じた場合は、バス会社に責任が発生します。
 
☒バス車内の空気を積極的に入れ替える
これはとても有効な手段です。
新型コロナウイルスに限らず、ウイルス感染の確率は体内に取り込まれるウイルスの濃度に大きく依存します。
できるだけ、バス車内の空気を清潔に保つことは、乗客の安心につながるはずです。
 
但し、これからの季節は少し注意が必要です。
換気の頻度を多くすることで、どうしても車内の温度が高くなりがちです。
熱中症の対策をしっかりとした上で、換気をすることが大切です。

 

バスの消毒はどこまでやる?

バスの消毒の頻度は、多ければ多いに越したことはありません。
しかし、実際にバスを日々消毒するのは乗務員さんです。

乗客が観光のために下車している時間にバス車内を消毒する、という対策をとっているバス会社さんもあります。
この点については、乗務員さんの疲労による事故確率の増加と、消毒の頻度を上げたことによる感染症予防の効果とを比較して考える必要があるのではないでしょうか?

 

観光バスの乗務員という仕事は、私たちが思う以上に大変な内容です。
なによりも、多くの人命が自分の握るハンドルにかかっています。
旅客運送という業務の特性で、自分が好きなときに休憩することもできません。
 
近年、職業ドライバーの高齢化が進み、乗務員の健康起因による事故が増加傾向にあります。
今までどおりの内容でも大変な仕事なのに、これ以上乗務員の負担を増やすような約束をお客様とかわしていいのでしょうか?

 

☒当社が考えるバス車内の消毒方法
✔朝、乗車されるお客様ひとりひとりに除菌グッズを配布する。
✔乗客はトイレ休憩後など、自分の好きなタイミングで自分のテリトリーを満足いくまで掃除する。
 
目に見えないウイルスのようなものを相手にする場合、人はそれぞれのやり方で満足を得ようとします。
特に除菌のような作業は、ヒトマカセにできるものではなく、自分の納得できるやり方で完了したいものです。
 
それなら、乗務員に苦労をさせるよりも、自分で満足できるまでやっていただく方が効率がいいと思いませんか?
※ただし、除菌グッズが潤沢に確保されていることが条件です。
※除菌グッズとは、除菌スプレーとウエットティッシュなどのことです。

 
バス業界は大変厳しい状況にあります。
だからこそ、これからの長いウィズコロナの時代を生き抜く工夫が必要になります。
 
昨日、サポート先の皆さまには『お客様へのお願い』の案をお送りいたしました。
できる限りローコストで、できる限り従業員に負担のない形での事業再開を目指しましょう。
 
★申し訳ありません★
サポート先ではないバス会社の方から、今後の経営に関するご相談が数多く寄せられています。
申し訳ありませんが、サポート契約を結んでいただいているお客様以外のご相談は、原則的にお受けしておりません。
また、緊急事態対応マニュアル等の作成の依頼も多数いただいておりますが、こちらについても、サポート先以外は一切お受けしておりません。
ご了承ください。

 

【中小企業診断士/行政書士 高原伸彰】

 

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