この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。
◆残念ながら、またしても貸切バスの事故が起きてしまいました。
死者がでなかったことが僅かな救いですが、楽しいはずの旅がこのような形になってしまったお客さまには心からお見舞いを申し上げます。
ご家族の方もさぞご心配されていることと思います。
被害に遭われた乗客及びその関係者の皆さまに、一日も早く平和な日常が戻ることをお祈りいたしております。
目次
最近よく話題に上るのが貸切バスの安全性向上とコスト、そして経営の問題です。
関越道の事故、そして昨年の軽井沢の事故。
これらの事故を契機に、貸切バスの安全性の向上とそれを支える利益確保が法律によって規定されました。
安全性の向上のためには、車両の入れ替え、乗務員の教育、ASV技術の導入などの推進。
そしてそれを支える利益確保のために運賃の下限規制。
安全な運行のために必要な投資を強制して、そのための原資を確保しやすいような環境を整えたわけです。
消費者の値下げ要求は終わらない・・・
しかし、どれほど運賃の下限を制限(つまりこの値段以下ではバスを運行してはいけませんよ、と決めること)しても、消費者の値下げ要求に歯止めがかかることはありません。
それに応えるように、運賃の下限規制を平気で無視する業者も少なくない状況です。
確かに、巡回・監査が厳しくなり、許可の更新制度がスタートして、このような業者が生き残れる可能性が随分低くなりました。
しかし、逆に言うと、「バレたら許可取り消しなんだから、それまで稼げるだけ稼いでやろう」などと、とんでもないことを考える業者もいるようです。
でも最後に選ばれ生き残れるのは安全なバス
このような厳しい状況ですが、安全経営サポートの専門家として一言。
これからはより一層安全性が求められる時代になります。
大切なのは、経営方針がぶれないようにすることです。
価格でしか判断してくれないお客はこちらから願い下げ。
そんな気持ちで結構です。
コスト割れをするような仕事を引き受けて、安全性が疎かになるようなら、安全への取り組みをしっかりと理解して選んでくれる、そんなお客さまのために努力をしましょう。
どんどん品質が問われる(厳しい)環境になる
安全性評価認定制度(セーフティーバス)は法令試験免除のための道具ではありません。
もっと言えば、これを持っていればお客さまが獲得できる道具でもありません。
なければ選んでもらえない道具
あと1~2年で安全性評価認定制度(セーフティーバス)はこんな立ち位置の規格になります。
当社でサポートをご提供しているプライバシーマーク制度もその道をたどってきました。
『プレミアムがプレミアムでなくなりマストになる。』
評価制度のほとんどがこのような道を歩むことになるのです。
旅行会社が★を求めてくる
「同じように個人情報が漏れるなら、プライバシーマークを持っている会社から漏れた方がいい」
個人情報を扱う仕事を別会社に委託する際の若い担当者の言葉です。
プライバシーマークを取得している会社から漏れたのであれば、「まあ仕方ない」と責任のがれができますが、プライバシーマークを持っていない会社から漏れた場合、担当者は
なぜプライバシーマークを持っていない会社をチョイスしたのか?
の弁解を上司にしなければなりません。
同じことが安全性評価認定制度にも言えます。
もしもバスの事故が起きた場合、そのバス会社がセーフティーバスを取得していなかったら??
「なぜセーフティーを持っていないバス会社を選んだんだ!」
乗客やその家族からこんな怒号が聞こえてきそうです。
あなたが旅行代理店の担当者ならどうしますか?★のない会社を選びますか?