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貸借対照表の作り方

2017年12月29日07時31分


貸借対照表ってご存知ですか?
経営者なら年に何度かは見なくてはいけない書類です。
バランスシートなんて言い方もされます。

BSってどうやって作るんですか?

サポート先の担当者からこのような質問を受けることが増えてきました。
今年、新しくサポート先になって下さったお客さまと最初にご挨拶したときの名刺に「中小企業診断士」の肩書が入っているせいかもしれません。
顧問税理士さんには聞きにくいし、一から本を読むほどではないということでしょう。

私はもともと財務の人間ではありません。
それどころか、BSと聞けばすぐにタイヤを思い浮かべる程度の経歴です。
ですから、財務を一通り学ぶにはそれ相応の苦労をしました。

苦労したからわからない人の気持ちがわかる

人一倍苦労をして財務を覚えました(進行形)から、財務が理解できなくて困る人の気持ちはよくわかります。
損益計算書(PL)は上から順に費用を差し引いて最終的な利益を求める図表ですから、現場の方の方が理解しやすいかもしれません。

しかし、貸借対照表(BS)は経営者にとって必要な図表ですので、現場はとても理解しにくいものになっています。
事実、私にとってもPLは会社役員の時代から見慣れたものでしたが、BSはまったく意味が理解できないものでした。

先日、サポート先の経理担当者の方に「BSってどうやって作るんですか?」との質問を受けました。
15分程度の説明だったのですが、「とても分かりやすい!理解できました!」と喜んでくれましたので、その15分の内容を簡単に記録の意味も込めて残しておきます。
もしも診断士のお仲間が読んでくれているのであれば、笑って読み飛ばしてください。

右側は調達源泉ではない

BSは企業のある瞬間の財務状態を表しています。
下の表をご覧ください。

このBSの左側が今現実に手元にある財産のリストです。
この会社は現在「現預金が500あって、機械設備が800」持っているのです。
この会社の財産を知るのに右側は必要ありません。
どんな会社のBSも左側だけみれば、その会社の持ち物がわかります。

では、逆に右側は何を表しているのでしょう。
右は左に示された財産をどんな手段で手に入れたか、が書かれています。
この会社の場合は、現金と機械設備合わせて1300の財産を人から借りたお金400と自己資本900を利用して手に入れたことになります。
このことを調達源泉と言いますが、この調達源泉の考え方で私は苦しみました。
自分で出したお金(自己資本)が勝手に増減するのが、どうしても感覚的に理解できなかったのです。

実は、この自己資本をどうとらえるかによってBSの理解度が大きく変わります。
財務の本ではここは「借り入れたお金400と、株主が出したお金900で1300の資産を手に入れた。」と書いてあります。
しかし、この説明が誤解を生みやすいのです。

自己資本はお金と考えない

私の会社を含めて、日本の会社の9割以上は中小企業です。
中小企業の場合、自己資本の部分に記載去れているお金のデモトは、ほとんどの場合社長のポケット、ないしは財布です。

先ほどの会社さんが、1年間何もしないでいたとしましょう。要は休眠状態だった場合です。
機械は動かさなくても、1年間放置しておけば価値は下がります。
ですから、減価償却をして800の価値であった機械設備を600にします。

そのとき、左側の自己資本を「機械購入のために出したお金」と考えると、なんか・・・変な感じがしませんか?
お金が1年で勝手に減ったような・・・違和感がありますよね。

中小企業にとって自己資本は社長のポケットマネーから出ています。
しかし、上場企業などの自己資本は、数多くの株主の出資金でできています。
ですから、私は自己資本はこう考えるようにしています。

自己資本=株主の期待値

当たり前のようですが、自己資本を自分の出したお金と考えるのと、株主の期待値と考えるのでは大きくちがいます。

このBSの説明でいうと、現預金500と機械設備800を銀行からの借入金400と株主が期待して出してくれた900を利用して手に入れた。
しかし、1年間なにも企業活動をしなかったので、機械だけが古くなってしまった。
つまり、株主の期待値が900から700に下がってしまったわけです。

経営と所有が一体化している中小企業においては、株主=社長1人=自己資本は社長のお金になるので、上のBSが不可思議に感じますが、自己資本を株主の期待値と考え、創業社長も株主と考えると自然に感じられるはずです。

つまりBSの右側は単なる調達源泉ではなく、借りたお金+株主の期待値だと考えるのです。
このように考えれば、自己資本がマイナスの会社、つまり債務超過の会社は株主の期待値がマイナスだと理解しやすいと思います。

【関連記事】
債務超過とはどういう状態?

BS→PL→BS

本題です。
今のBSを作るには、昨年のBSとその間に挟まれたPLが必要です。

では条件を整理していきましょう。
BSを作成するには下から見ていきます。

①この会社は1年で70の純利益を上げました。
今年のBSの自己資本に70を加えます。PL上で表示された純利益はそのまま会社の期待値の増加につながるからです。
これで自己資本は昨年度の900から970に変化しました。

②現預金は純利益の70と減価償却の分200が増えました。
そこで左側の現預金を270増やします。簡易キャッシュフローですね。
純利益は現預金の増加です。そして減価償却は帳簿上で資産の価値を下げただけなので、PL上で差し引いた分は現金に戻してあげます。
これで現預金は500から770に増えました。

③機械設備の(財務上の)価値が1年で200減りました。
最後に機械設備の価値を200下げれば完成です。

ここで注意しなければならないのは、借入金の返済です。
借入金の返済は法人税などを引かれた純粋な利益から行います。
だから、借入金の返済はPL上は出てきません。
もしも、この会社がこの年の利益の中から元本を20返済したのであれば、BS上は左側の現預金から20マイナス、右側の借入金から20マイナスすることになります。

さて・・・
ちゃんと右と左の数字があっているでしょう?
考えてみれば当たり前ですね。
純利益の70は自己資本と現預金の両方に足されています。
つまり左右のバランスが取れています。
現預金が増えた分、この会社の借金を除いた評価額が上がったのです。

左側の機械設備の減価償却は、機械設備から引かれ、同じ側の現預金に加えられていますから、この作業でも左右のバランスは崩れません。
考え方を間違えなければ、BSは絶対に左右対象になるようにできているのです。

行政書士も財務は勉強すべき

実際のBSはもっともっと複雑です。
でも、この基本原理がわかっていれば、そうそう困ることはないはずです。
たとえば、貸切バスの更新申請書類に含まれる今後5年の財務予測などは、未来の予測なのでこのような方法でBSを5年分の予測PLを使って計算していくのです。

行政書士の仕事についてこれからは財務の知識を求められることが増えて来るはずです。
財務や税務など、お金問題を絡めた許認可の相談まで乗れるような人でなければ、どんどんAIに仕事を奪われる時代がすぐそこにきています。
私はすでに54歳で事業拡大の欲もありませんから、行政書士の仲間を相手に知識を出し惜しみする気はありません。
それどころか、出来れば行政書士も財務や税務に強くなって、仕事のフィールドがもっともっと広がってくれればと願っています。

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